「手ぶくろ」
貴方と手を繋ぎたいから、わざと手ぶくろを忘れた。
ドキドキしながら歩く、帰り道。
貴方も私と同じ位ドキドキしてくれてたら、嬉しい。
そんな期待をしながら、ゆっくりと歩く。
一瞬貴方の手が触れて。離れて。
そして又、触れて、離れて。
3回目には、ギュッて握ってくれたね。
貴方は真っ直ぐ前を見てたけど、手も震えてたし、頬もほんのり赤くなってた。
でも多分、私の方が真っ赤だったと思う。
心臓も、口から飛び出すんじゃないかと思う位、バクバクしてた。
今はもう懐かしい、夫となった貴方との、大切な思い出。
「変わらないものはない」
友情とか、愛情とか、信念とか。
昔はそういうモノは変わらないと信じてた。
でも、段々現実を知って行き、変わらないモノもあるけれど、変わってしまうモノもあると実感した。
ただ、全てが変わらない事が良い訳ではなく。
時と共に変わって行く事が正しいモノ。
例えば、恋人同士が夫婦になり、親になっていき、物の見方や関係性が変わって行く事。
むしろ変わって行かなければならないモノ。
昔からの悪習や、今の時代には合わない、間違っている常識等。
どう足掻いても時間は過ぎて行き、それに応じて変わるべきモノ、変わってはいけないモノ。
どちらにしろ、大切なのは変わる事でも変わらない事でもなく、ただ正しい姿である事だと思う。
そして、自分も「成長」と言う名の変化をしながら、正しさを忘れずに生きたいと思う。
「クリスマスの過ごし方」
いつも通りに仕事に行き、いつも通りのタスクをこなし、いつも通りの生活。
でも、大好きな、大切な人達と過ごせている。
当たり前の毎日を、当たり前に過ごせる事が幸せだと思う。
それが、一番のクリスマスプレゼントだと思える。
特別な1日でなくていい。
イベントなんかなくても、大切な人がそばに居てくれれば、それが特別な幸せ。
そんな、いつも通りの1日が、嬉しい。
「イブの夜」
イブの街はまるで、恋人達や家族のいる人や、兎に角誰かと一緒に過ごせる人の為にある様な、そんな賑わい。
街ゆく人々も浮かれてる様に見える。
皆が足取り軽く、自宅や待ち合わせ場所に向かってる。
そんな中、私は一人。
去年のイブは貴方の隣に居て、来年もさ来年も、この先もずっと貴方と過ごせると思っていた。
この幸せが、永遠に続くと思っていた。
でも、当たり前だけど、永遠なんてなくて。
ついこの間までは私の場所だった貴方の隣が、腕の中が、違う誰かの専用席になり。
ついこの間までは私に愛を囁いていた唇が、他の人に愛を囁き。
貴方と別れてから、何人かから口説かれた。
でも、駄目だった。
どこに居ても、誰といても、何をしても。
貴方と比べて余計に貴方が恋しくなるだけだった。
貴方と違う顔が、声が、匂いが、全てが。
納得いかず、余計に自分が苦しくなるだけだった。
そんな位なら、と仕事にかまけたり、趣味に没頭したりして、貴方の事を考えない様にしてた。
でも、こうやってふっと気が抜けると、駄目。
街ゆく人の中にも貴方を探してしまう。
貴方の笑顔、声、仕草、匂い、囁いてくれた言葉、歌ってくれた歌。
全てを忘れていない。全てが忘れられない。
だから、私はイブもやっぱり一人で過ごす。
こんな気持ちでは誰とも過ごせないから。
いつか、誰かと、心からの笑顔で過ごせる、そんな日が来るまでは。
「プレゼント」
神様が、私にくれたプレゼント。
健康な身体。
ポジティブな考え方。
努力する才能。
恵まれた親。
素晴らしい友達。
もう、考えたらキリがなくて、一つ一つなんてとてもあげられない。
でも、一番のプレゼントは。
この、ちっちゃな、可愛い、娘。
おバカだし、反抗期で口ばっか達者な割に行動が伴ってないけど。
でも。
親バカだって分かってるけど、私にとっては、世界で一番可愛い子。
神様からの、最高の、最大の、プレゼント。
神様、有難うございます。