「海へ」
一人で夜の海に来た。
波の音と、時々混ざる車のエンジン音。
日常生活のちっぽけな事なんて、些末な事だと思えてくる。
嫌な事も全部海に流せればいいのに、って思うけど、結局波が又戻して来る。手放したい物程戻ってきてしまう。
結局全て自分で処理するしかないんだよね。いい事も、悪い事も。
でも、何が起こるかは自分で決められないけど、起こった事をどうするかは自分で選んで、自分で決める事が出来る。
それは、辛い事だけど、幸せな事だと思う。
あ~、明日から又頑張ろう。
「裏返し」
子供はよく服を裏返しにして着てる。
後ろ前に着る事もある。
柄物に柄物を重ねたり。
でも、それすらも愛おしい。
鈍臭くて、可愛い。
······と思ってたら、夕方になってジャケットのインナー裏返しだった事に気づいた······
可愛くなくて、ただただ鈍臭いだけだった。
何だか切なかった······
「鳥のように」
鳥のように飛べたら、気持いいだろうな。
って思うけど、ふと思い出した。
以前に大雨、大風の日に、海の横の断崖を車で走ってた時の事。
陸から海に向かって風が吹いてて、運転してても車を持っていかれそうな日だった。
海から陸に向かってカモメが一心不乱に羽ばたいているんだけど、風が強すぎて羽ばたきながら押し戻されてた。
私も運転にいっぱいでその後どうなったかはわからないけど、「どんな生き物も生きるって大変だな」としみじみ思った。
ただそれだけなんだけど、ふと思い出した。
「さよならを言う前に」
いつか、こんな日が来ると思っていた。
好きだった。
幸せだった。
でも、好きになればなる程、幸せであれはある程、
先が不安だった。
いつまでこの日が続くの?永遠はないでしょ?
いつまでキレイな私でいられるの?
いつまであなたは私を見ていてくれるの?
こんな不安に押し潰さる位なら、全部自分から壊してやろうと思った。
壊した方が楽になれると思った。
でも、嫌われたくない。
別れた後でも、あなたの一番でいたい。
一生、あなたの心に生きていたい。
だから、綿密に計画を練った。
さよならの前に、キチンと計画。
いつも通りの、あなたを大好きな私。
私を大好きなあなた。
日付は記念日を選んだ。
あなたがプロポーズしてくれると友達に聞かされたから。
いつも以上に私を好きなあなた。幸せの絶頂の私。
一番幸せなその瞬間に。
終わった事も気づかない内に。
あなたが私をほんの少しも疑わない内に。
私がこのボタンを押せば······
爆発が全てを終わらせる。
「空模様」
晴れた空が好き。
髪の毛も乱れないし、洋服も靴も濡れない。
洗濯物も乾くし、傘も持ち歩かなくていい。
身の心も気軽でいられる。
雨の空が好き。
少しの雑音くらいなら雨の音に消されて聞かないで済む。
一定のリズムで流れる音は心地良い。
何よりも、この雨が上がった後の澄んだ空気を想像すると、それだけでワクワクしない?
曇の空が好き。
暑すぎす、寒すぎす。
眩しくないし、暗すぎないし。丁度いい。
結局、どんな空でも、どんな状況でも、全ては気持ち次第。
だったら、楽しんだもん勝ちじゃん。
どうせ人生、どうにもなんない時は悩んで、考えて、足掻いて。そうせざるを得ないんだから。
だからこそ、些末な事は全て楽しんだ方が良くない?
悩んで、足掻いて。それも大事だけど、それすらも楽しもう。
全てを楽しみとか、自分の糧とかに出来たら、それが勝ちだから。
空模様も心模様も、同じ景色がが永遠に続く事は無いから。だったら、ポジティブに行こうよ。