【お金より大事なもの】
○居間(夜)
破れた障子戸。
畳に転がるビール瓶や空き缶。
ちゃぶ台を間に向かい合う正座する娘とあぐら をかき缶ビールを片手に持つ真っ赤な顔した 父。
父「い…いま…なんて…言った…?」
目と口が大きく開く。
娘「だから断ってっていったの!!」
父「お前わかっているのか!?幸せになるチャンスを 逃してるんだぞ!!彼は大金持ちなんだぞ!!」
缶ビールをちゃぶ台に叩きつける。
娘「お金よりも私は自分で選択することが大切だと 思ってる!!これは私の選択じゃなくてお父さんの 選択でしょ!?」
父「この…っ!!」
空になった缶を握り潰す。
眉間にシワがよる。
父「ふざけるな!!」
両手を思いっきりちゃぶ台に叩きつけ立ち上が る。
娘「本当のことでしょ!?」
立ち上がる。
父「俺がお前の幸せをせっかく考えてるのに…もうい い!!でてけ!!」
娘を指指す。
娘「こんな家出てってやる!!」
障子戸を思いっきり閉めて出てく。
父「…」
あぐらをかいて座る。
父「ちくしょー!!」
両手でちゃぶ台を返す。
【月夜】
○森の中(夜)
満月の夜空。
真っ暗な森。
狼の鳴き声が聞こえる。
後ろから草むらをかき分ける音がする。
不知火「何かくる!?」
剣を鞘から抜くと勢いよく後ろを振り向く。
ネコ「にゃー」
満月に照らされたネコがこちらを見て鳴てい る。
不知火「なんだネコか…」
息を吐き、肩を落とす。
剣を鞘にしまうとしゃがみ込んでポケットから パンを取り出しネコの前にさしだす。
不知火「これをやるからもう帰れ」
ネコ「にゃー」
パンを咥えると背をむけ森の中へ去っていく。