スナエ

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12/2/2023, 10:05:36 AM

 右手に死を、左手に生を。
 両親は、生きているのか? 死んだのか?
 答えの出ない問い。
 いつか、真実に辿り着くのが怖いんだ。
 でも、おまえがいれば、オレは大丈夫。
 その“いつか”が来た時は、おまえの隣で。

12/1/2023, 10:04:55 AM

 物理的に遠くへ行ってしまった恋人。俺との記憶を失ってしまった恋人。
 足りなかった。何もかも。
 おまえの隣にいたのに、救えなかった。
 この無力さを噛み潰すように、黙々と課題を片付ける。
 ああ、おまえがいたら、哲学絡みのレポートなんてすぐ終わるのに。

11/30/2023, 10:04:03 AM

 おまえは、今日も雨を降らせた。眠りながら。
 その雫を、拭ってやることしか出来ない。
 ずっと傍にいるから。
 だから、どうか。

11/29/2023, 10:18:31 AM

 その夜は、少しぼんやりしていて、気が付いたら、ファミリーパックのアイスクリームを手にして帰宅していた。
「あー、と」
 別に、ひとりで食べればいいんだけど。
『アイス食う?』
『寒くねーか』
 恋人に当然の突っ込みをされる。
『そういう家なんだ』
 家族5人、みんなが年中アイスを食うんだよ。
『今から行く』
『おう』
 何度でも、この寒さに立ち向かうしかない。

11/28/2023, 10:06:10 AM

 一冊のボロボロの本を手に取った。
 ある男の一生が書かれている。
 家族に祝福されて生まれた子供が、社会に馴染めず、それでも生きていく物語。
 喪失を抱え、もがき苦しむ物語。
 最後のページには、俺を生涯愛していたと書かれていた。
 ぽつり、と。紙に雫が一粒落ちる。

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