一冊のボロボロの本を手に取った。 ある男の一生が書かれている。 家族に祝福されて生まれた子供が、社会に馴染めず、それでも生きていく物語。 喪失を抱え、もがき苦しむ物語。 最後のページには、俺を生涯愛していたと書かれていた。 ぽつり、と。紙に雫が一粒落ちる。
11/28/2023, 10:06:10 AM