スナエ

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8/29/2023, 10:07:38 AM

 おまえは、ずっとずっと喋り過ぎだったんだ。
 でも、変わった。自然に、話したいことだけを話してくれるように。
 多弁なのは、不器用なおまえなりの処世術だったけど、もういらないと言っていた。
「無理に話さなくても、心が通じてる気がするから」
 笑顔で、そう言うおまえが可愛く見える。
 俺は、ただ、おまえの頭を撫でた。

8/28/2023, 10:06:23 AM

 最近、友達になった君は、とってもお人好しで、オレにも優しい。
 そんな君が、突然家にやって来た。
「どうしたの?」
「いや、ちょっと雨に降られたからよ」
「なるほど。雨宿りね。オレしかいないから、テキトーにくつろいで」
「サンキュ」
 よかった。雨の日に独りでいるのは、辛いから。

8/27/2023, 10:08:53 AM

 雨の中にいる。ぼーっと突っ立っていたら、腕を引っ張られて、おまえの傘に入れられた。
「なにしてんだよ?」
「あー、いや……頭痛くて…………」
 これは、本当。雨は嫌いだ。おまえも知ってる。
 心配そうな顔をさせた。申し訳ない。
「ごめん。また、煙に巻こうとしたな」
 一呼吸置いて。オレは口を開いた。
「あの日も、こんな雨だったなって」
 喪失は、ずっと埋まらない。

8/26/2023, 10:05:31 AM

 あたしには、日記帳がない。
 オレには、日記帳がない。
 あたしは、もういないから。
 オレは、そんな習慣はないから。
 そういう、自分の気持ちを出すのは、好きな自分であるべき。
 そういう、自分の気持ちを正直に書くものには、抵抗がある。
 だからね、おまえに覚えててもらうよ。オレのこと。

8/25/2023, 10:14:32 AM

 図書室で向かい合って座り、読書している。
 オレは、いつもの通り哲学書で、おまえも、いつもの通り推理小説だ。
 決して答えに辿り着かないオレと、必ず真実に辿り着くおまえ。
 お似合いだよな、全く。
 オレはただ、おまえの隣にいられたらいい。
 そうすれば、見える景色は同じだから。

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