スナエ

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8/24/2023, 10:06:17 AM

 遠くへ行ってしまった。俺との思い出のほとんどを置き去りに。
 でも、おまえが元気なら、それでいい。それでいい、はずだった。
 煙草を燻らせ、思い浮かべるのは、おまえの顔。俺が好きだと笑顔で言ってきた時の。
 嫌になる。俺は、何ひとつ忘れられないのに。

8/23/2023, 10:06:26 AM

 おまえの遺骨と、海に来た。
「静かだな…………」
 夏の終わりを感じる。
 おまえが生きてるうちに、海に来れたらよかったのに。
 俺が、おまえにしてやれることは、もうない。
 ただ、「海に行きたい」と言っていたから、ここへ来た。
「…………愛してたなぁ」

8/22/2023, 10:07:59 AM

 好意が嫌悪に反転する病に罹患した。
 でも、おまえへの気持ちには、特に変わりがなかったから。オレは、不思議に思った。
 だけど、気付いたんだ。最初から、おまえのことが大好きで、大嫌いだったってことに。
 相反するふたつの意見を抱え込むオレの性質は、消えちゃいなかったんだよ。
 ああ、化物でよかったなぁ。

8/21/2023, 10:08:16 AM

 鳥籠の中を出て、飛び立つように家を出た。
「は……はぁ…………」
 人混みに、目眩がする。呼吸が難しいと感じる。
 でも、行かなくてはならない。
 高校へ行き、教室の自分の席に座った。
 ちらちらとクラスメイトに見られる。保健室登校でないのが珍しいからだろう。
 これからは、ひとりで立てるようにならないと。少年は、拳を握り、行方不明になった両親のために生きようと思った。

8/20/2023, 10:03:57 AM

 出会ったってことは、いつか別れるってこと。
 その時が突然やってきて、オレは悲しかった。
 おまえには、「さよなら」を言わないといけない。
 でも、その前にもう一度だけ、抱き締めてほしくて。オレは、「愛してる」と嘘をついたんだ。
 さよなら、世界で一番特別な人。

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