スナエ

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4/21/2023, 10:15:37 AM

 なんで泣いてるんだろう?
 オレは、どうしたんだ?
 ただ、そう、心にぽっかりと穴が空いたような気持ちになって。気付けば、涙が落ちていた。
 大切な何かを失ったような気がしている。
 大切な誰かを忘れているような気がしている。
 煌めく雫のように、手のひらからこぼれてしまったものは、なんなのだろう?

4/20/2023, 10:10:46 AM

 もう、何もいらなかった。どうせ、いつか奪われるのだから。
 それなのに、オレは、他者を求めてしまった。おまえだけが、例外で。欲しくて欲しくて、堪らない。
 両親を奪われ、日常は瓦解し。平和は崩れ去り、子供が戦っている。こんな、クソみたいなオレたちの世界。
 その残酷さを、おまえは分かっているはずなのに、平然と日々を送っている。きっと、それは強さなんだろうけど。オレには、恐ろしく感じる。
 いらないはずだったのにな。そんな覚悟は。

4/19/2023, 10:33:26 AM

 未来から、オレがやって来た。
「未来のオレとアイツが、どうなってるか知りたいか?」
 未来のオレは尋ねる。
 もちろん、オレは「知りたくない」と答えた。
 オレは、答えとか結果とか真実とかを知るのが怖いのだ。だから、哲学やってんだよ。
「そうだと思った」と、未来のオレ。何しに来たんだ? コイツ。
「答えから遠ざかるのが大好きだもんな、オレは」
 でも、そうだ。未来から、オレが来たということは、オレとアイツが、まだ一緒にいるのだろう。
 だって、幸せなら、何も知りたくないオレに会いに来れるもんな。

4/18/2023, 12:11:23 PM

 気付けば、オレたちは、色のない世界にいた。
「ここは、昔のオレの世界みたいだな」
 オレは、呟くように言う。
「おまえと出会う前、オレの世界はこんな感じだった」
 彩度と明度が低く、無味乾燥な世界。それはそれは、つまらなくて、みんなが敵のように感じていた世界。
「いつも、“外”が大嫌いだったよ」
 おまえとの邂逅は、色彩との出会いだった。人生の光が、おまえだから。
「さて、どうやったら戻れるのかな?」
 犯人であろうオレは、名探偵に、そう訊いた。

4/17/2023, 10:10:57 AM

 散らない桜を作ることに成功した。
「桜が散らないなら、その方がいいだろ」と、オレはおまえに言う。
 しかし、おまえは、命には限りがあるから、向上心が宿るんじゃないかと返した。
「花が散らない世界は、停滞するって? オレは、そうは思わないな。永遠を手に入れて初めて、オレたちには余力が生まれるんだよ」
 まあ、そんなものは仮の話。
 でも、こういうことを言えるのも、余裕があるからなんだよな。

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