気付けば、オレたちは、色のない世界にいた。「ここは、昔のオレの世界みたいだな」 オレは、呟くように言う。「おまえと出会う前、オレの世界はこんな感じだった」 彩度と明度が低く、無味乾燥な世界。それはそれは、つまらなくて、みんなが敵のように感じていた世界。「いつも、“外”が大嫌いだったよ」 おまえとの邂逅は、色彩との出会いだった。人生の光が、おまえだから。「さて、どうやったら戻れるのかな?」 犯人であろうオレは、名探偵に、そう訊いた。
4/18/2023, 12:11:23 PM