私の当たり前と他の人の当たり前は違うんだって分かってる。みんなそれぞれに当たり前があるんだから
なんて、分かりもしない事をさも当然かのように言葉にできるのは、そう言って寄り添ってあげたら他の人と同じように貴方も喜ぶと思ったからで、それが私の当たり前。
でも貴方にはそれが気に食わなかったみたいで、勝手に憐れみを向けられて、寄り添われても誰も何も嬉しくないって言われちゃった。
貴方ってば、人の好意も悪意も全て跳ねのける勢いで生きているくせに、自分は本当に人それぞれの当たり前を知ってますよ。みたいな言い方してくれちゃって。
何も口に出さないそれが優しさだとでも思ってるの?
気に食わないんだったらどこが悪かったのか言えよ
貴方の当たり前を私に知らしめてみせて
貴方の言う通り、本当は人の事なんてなんもわかっちゃいないからさ
■私の当たり前
ここを通りたいなら、私を殺して行きなさい。
今までの行いを全て無かったことにするなど許さない。
罪を償うがいい。
さすれば彼の者が貴様を待っている。
罪を償わぬ貴様に待っているのは破滅のみ。
この道の先に何が待っているかは、お前次第だ
■この道の先に
私、あなたが羨ましくて
それであんな酷いことを言っちゃったの
ごめんね、許して欲しい
いつまでも明るいあなたのままでいてくれると思ってた
いつまでも優しいって思ってた
いつも慰めてくれていたのに、あんたが代わりに怪我すればよかったのにとか言ってごめん。
本当にそうなった時の苦しみが想像できないわけじゃなかったのに、浅ましくも思い、口に出してしまった
私はベットの上から動けないのに、あなたは外で楽しそうにしてたって嫉妬して怒鳴ってしまったあの日、私の為に花かんむりを作ってくれてたんだよね。
後ろに隠した手に持ってる事に気がついた時にはもう遅くて、あなたが逃げるように帰った後も呆然としていた。
酷いこと言ったのに後になって、私が寝ている間に生けてあった花、あの時渡そうとしてくれた花と同じだって、歩けるようになってようやく知ったよ。
次は二人で花かんむりを作りに行こう
…あなた一人だけでいってもいいよ、私大人になったからもうあんなふうに怒らないよ。
だから起きて
私が見ていたあなたに戻って欲しい。
かつて、窓越しに見えていた憧憬を返して欲しい。
なんて、身の程知らずな願いをいつまでも唱えている
■窓越しに見えるのは
運命だって、初めてそう思えたの
『運命の赤い糸』が見える世界でただ一人『糸』が見えない私がそう言った時、君は戸惑いながらも優しくしてくれたよね。
でも赤い糸が繋がってる相手を見つけた途端すぐそっちに行っちゃった!なんて薄情な人!
赤い糸で繋がってないとダメなの?
運命じゃなきゃ幸せになれないの?
私は赤い糸なんかじゃなくて、君を見てこの人となら幸せになれるかもって思ったのに君は違うの?
そんな糸なんかで繋がれた相手を見たらすぐ好きになっちゃうような人だったの
私はどうすれば君と運命になれるの、おしえてよ
■赤い糸
蒸し暑さの中でも貴方と一緒なら、そこはどんな所よりも心地良い場所だったのに
■夏