青い風に背中を押され、今日も私。ひとり走る。
早朝は好き。私の陸上部はどの部活よりも早くから練習をはじめる。運動場にはどの部活動もいない。校舎から吹奏楽部の楽器の音も聞こえないこの時間帯は、私が一番好きな時間だ。
誰よりも早く着いて自主練をする。だから誰も私を見ていない。何も気にせず、自由にトラックを駆け抜ける。
そうすると、嫌な事も悩んでいたことも忘れてしまう。
私が私であるために、陸上は必要不可欠な存在だ。
ずっと、遠くに行きたかった
カーテンの隙間からわずかな光が見える
今日は久しぶりに晴れたらしい
それを確認したら、カーテンを開いて日光を全身で浴びる
これが私のルーティーン
青く深く 溺れる 夏
まだ見ぬ世界へ!
推薦で入った部活の強豪校に入学して数ヶ月がたった。
中学で頑張ってきた部活でもっといい成績を取りたいと思ったから高校でも続けた。
もう既に将来就きたい職業も決まった。
気になっている大学も何個かある。
私は頭が悪い。推薦や独自試験を受けなかったら100パーセント落ちていた。
そしてついこの前の定期考査も学年でも240人中210位で、このままいけば行きたい大学には絶対に行けない。
勉強は嫌いでは無いけれど、ものすごく効率が悪い。
それに、受験の時も勉強を頑張って入った人に本当に失礼だとは思うが、私はまともに勉強してこなかった。そのせいで、高校に入ってから痛い目を見ていた。
部活を頑張りたくて入ったはずなのに、最近はやりたくてやっているのではなく、義務のようになってしまっている。
勉強も、将来の夢があるのに、それに向けて努力のひとつもしていない。
一体私は何をしにこの学校へ入ったのかも分からなくなってしまっていたのだ。
私は部活も勉強も頑張りたい。
飽き性なのにここまで続けられた部活を大切にしたいし、もっと上手くなりたい。
勉強も、いい点が取れるようになってみたい。
沢山努力してみたい。
だから頑張る。
私は、頑張るのだ。