校舎を出て桜道を散歩している夜。
今日は月が綺麗で、その淡く綺麗な光が桜を照らし
甘美な雰囲気が道を包む。
なんだか、ただ散歩するだけでは物足りなくて
「踊りませんか」
と軽く会釈するようにして手を誘う。
なんて、踊りの教養なんてないのにそう言ってしまった。
「ふふ、どうしたの急に」
なんて君が微笑みながら手を乗せ,音無きリズムに合わせて
優雅に踊る。
「なんだか散歩だけじゃ勿体ないと思ってさ。」
踊る君に釘付けになりながらそう行った。
「確かに、今日は月が綺麗だもんね」
とにこやかに顔を明るくすると、
「あっ…」
君が足が絡まってバランスを崩してしまいそうになった。
「大丈夫?お姫様」
自分の手を君の背中に回して支える。
ぎゅっと顔との距離が近くなった。顔では笑顔を保っているけど、にやけているのかそれとも照れてぎこちない笑顔なのか自分でも分からない。
「……ありがとう。私の王子様。」
君は顔を俺より赤くして気恥しそうに笑うとそう言った。
「…えへへ」
「…はは」
2人とも気恥ずかしくて、額を合わせてへにゃりと笑って誤魔化した。
その後はケルト音楽でもあるかのような身軽なステップで踊り、疲れ果てるまで楽しく踊ったのだ。
こんな夜も悪くないだろう
¿?
"運命の人と巡り会う"
なんてよくみんなは言うけれど、私は違った。
確かに私から見たら巡り会えたけれど、一方通行も程がある。
街中でよく恋仲を見かけると、羨ましいと思った
この街で、国で、世界で繋がれているんだから
私にとっての運命は、限りなく存在していないに近く、不確定
な物だった。
もし、もしもすれ違うだけでも出来たなら良かったのになあ。
¿?
わかってた。
どれだけ想いを寄せても
どれだけお金を重ねても
結局は妄想で 空想にしか過ぎないことを。
ねえ どうして君は存在してないの、?
ずるいよ
私はこんなに君のことをなんでも知ってるのに
君は 私のことも 私の住んでる世界も知らないなんて
¿?
あついな もう半袖の季節か
ついこないだまでは 心地よい春だったのに。
あと 何ヶ月生きれるんだろう
あと 何日生きれるのだろうか。
木漏れ日の隙影に覆われた私は
そんな事を思うしかできない
天国と地獄。
あるなら "ここ"はどこなんだろうか
"ここ"はずっと四季が巡り 変わらない日々が待っている。
でも 1つ見方を変えれば地獄に変わるだろう。
だって '変われない'のだから。
永遠に続く夢。
でも 彼女が幸せなら
俺はここに名前なんてつかなくていい。
ここに理由がいるのは 彼女だけで十分な気がした。