校舎を出て桜道を散歩している夜。
今日は月が綺麗で、その淡く綺麗な光が桜を照らし
甘美な雰囲気が道を包む。
なんだか、ただ散歩するだけでは物足りなくて
「踊りませんか」
と軽く会釈するようにして手を誘う。
なんて、踊りの教養なんてないのにそう言ってしまった。
「ふふ、どうしたの急に」
なんて君が微笑みながら手を乗せ,音無きリズムに合わせて
優雅に踊る。
「なんだか散歩だけじゃ勿体ないと思ってさ。」
踊る君に釘付けになりながらそう行った。
「確かに、今日は月が綺麗だもんね」
とにこやかに顔を明るくすると、
「あっ…」
君が足が絡まってバランスを崩してしまいそうになった。
「大丈夫?お姫様」
自分の手を君の背中に回して支える。
ぎゅっと顔との距離が近くなった。顔では笑顔を保っているけど、にやけているのかそれとも照れてぎこちない笑顔なのか自分でも分からない。
「……ありがとう。私の王子様。」
君は顔を俺より赤くして気恥しそうに笑うとそう言った。
「…えへへ」
「…はは」
2人とも気恥ずかしくて、額を合わせてへにゃりと笑って誤魔化した。
その後はケルト音楽でもあるかのような身軽なステップで踊り、疲れ果てるまで楽しく踊ったのだ。
こんな夜も悪くないだろう
10/4/2024, 12:57:24 PM