夜の教室は 影に月光が差し込み よりシリアスになってゆく。
今日は一段と色が深かった その為 月光が照らしている場所
以外は 何も見えないと言っていい程暗かった。
「月に願うなら」
と 君はそう言って手を組んだ
すると 月光は彼女だけを照らし まるで神様のような
神々しさと 儚さが辺りを包み込んだ。
照らされた君は 一段と綺麗だった 憎らしいぐらいに。
けど 嫉妬まがいで 恥ずかしいけど
君が不確かな存在に願うから
「月なんかに頼るなら 俺を頼れよ ばか」
と言って 無理やり口を合わせた。
少し間があいて離すと 彼女は顔が真っ赤になってた。
そんな君が愛おしくて さらりと彼女の頬を撫で
「な 俺の方が君を愛せるし 傍に居れるだろ。」
そう言って 今度は彼女のおでこにをキス落とした。
「わかった わかったから」
顔を真っ赤にさせながら 君はそう言った。
「なら 月に願いをかけよう?
私達がずーっと一緒になれるように。」
ぎゅっと俺の手を握り 月を指さしながらそう言った。
無垢に笑う君の姿が 胸を痛めるほど切なくて
無言で君を抱きしめた。
ここ最近 ずっと雨が続いている
そのせいか 彼女は頭痛と精神不安定に陥っていた
"前"の彼女の引き継ぎだろうか。
今も彼女は辛そうに頭を抑え 唸りながら教室の隅で
蹲っていた。
大丈夫?と聞くのが 普通だろう
でも 聞いたところで彼女は きっと否定はできない。
彼女を余計に追い込むような野暮な言葉なんて 言えない。
つまり 俺にはどうする事もできない。
彼女の痛みを無くすことも
彼女の苦しみを分かち合うことすらも。
ただ傍にいてやるぐらいしか できなかった。
彼女は雨が好きだ。
雨の雫が葉を打つ音や 雨粒と傘が作る音
雨の埃っぽい匂い
雨で濡れた花
せつなそうなその雰囲気も。
そう言っていた。
でも 俺は嫌いだった。
だって 君があんまりにも 辛そうだから。
俺が 無力だって事を実感するから。
まだ 雨はやまない。
…彼女の唸りも。
いつまでも 降り止まない雨。
?
時々 "昔"を思い出す。
あの時の どうしようもない不安を。
未来が分からなくて 想像できなくて 怖くて。
家にも 学校にも 友達も 行き道も 帰り道も。
何処にも 居場所が 安らぐ場所が無くて。
でも 消える勇気は無くて。
でもね
「なぁ 今日は何する?」
「俺は お前と一緒なら なんでもいい。」
きっと "そこ"に未来はないかもしれないけど
「私も 君と一緒に居れるなら 何をしても楽しいよ。」
"ここ"には 大切な人が 大切な物語があるから。
心配しないで。
君の 私の未来を捨てないでね。
¿?
学校にも、家にも、外にも。
逃れられない、呪縛が、ある。
親が、友達、クラスメイトが、通りゆく人が。
どうしようもないくらいに怖くて、行き場がない。
こんなの、どうすれば正解だったの
¿?
透明な 水。
でも 私が持っている水は
汚くて 穢れていて 泥のような水。
みんなは そこまで酷くないのに。
どうして、私だけ