─静かなる森へ─
少年数人は静かな森へ消えていった。
その森へ大人が少年達を探しに行ったが見つからなかった。
森の中は音を遮断しているかのように何も聞こえず静かだった。鳥のさえずり、風の音何一つ聞こえず何か不穏な空気が漂っていたらしい。
少年数人はその後なにごともなかったかのようにパッと帰ってきた。大人数人が少年達へ問い詰めたが少年達は全員何も覚えていなかった。
静かな森へ行った少年達はなぜ何も覚えていなかったのか。
それは静かなる森にしか分からない。
─届かない......─
大好きなあなたへ
18歳の春。あなたは急にいなくなりましたね。
夢を叶えられずにいなくなりましたね。ずっと探してましたよ。
あなたは届きそうで届かない存在で。今思えば何かを抱えていた気がします。
面白くて涙もろかったあなたはもういません。気持ちが落ち込んでいた時に寄り添って笑わせてくれたりすぐ感動して泣いちゃったり。とても感情が豊で面白い人でしたよ。
もうすぐあなたは20歳になります。大人です。少しは立派になったと思います。
あなたが20歳を迎えたらお酒を飲みたかったです。思い出沢山話したかった。
あなたが今どこで何をしているかは分かりませんが元気にしていると思います。多分、誰かに寄り添ったり泣いたりして相変わらずそんなことをしていると思います。
あなたに届くように努力していたけれど届かなくなってしまいましたね。
でも、もしまたいつか会える日まで努力は続けるので次は届くようにあなたに手を伸ばします。
あと1分で20歳になります。
3 . 2 . 1
「おめでとう」
─届かないあなたへ─
─すれ違う瞳─
最近恋人との関係があまり良くない。嫌われたんだと思う。
目が合ってもすぐ逸らされちゃう。
出会った日はよく目を合わせあって笑いあったね。すれ違うことなんてなかったのに。
だから恋人の瞳と自分の瞳を合わせて言った。
「目を逸らさないで話し合おう。これからのこと。」
目だけじゃなくて心もすれ違わないように────
─瞳を合わせて─
─青い青い─
青い青い色が空に広がっている夏休みの初め。
僕は麦わら帽子を被り虫あみと虫かごを持って森へ向かう。
森へ入ると蝉の声がどこからも聞こえる。
かっこよくて強いカブトムシがほしくて森の奥へどんどん進む。
すると僕と同じ歳ぐらいの男の子が木を見つめながら立っている。その男の子も麦わら帽子を被って虫あみを持っている。
何を見るのかなと思い僕もその木を見つめる。
見つめた先には色々な種類のカブトムシが気に止まっている。
「すっげぇ」と嬉しくて口に出すとその男の子がこっちを見て「捕まえる?」と笑って僕に言う。僕は喜んで頷いて虫あみを構えてカブトムシを捕まえようと虫あみを振る。
でも捕まえることはできなくて俯く。
男の子は笑って「俺こういうの上手いから見ててな!」と言って虫あみを振る。虫あみを見るとカブトムシが入っている。
「すご!」と言うと男の子はカブトムシを虫あみから取って僕にくれた。
そこから川で水遊びをしたり鬼ごっこをしたりと遊んだ。
空を見上げるとあんなに青かった空が黒くなりかけていた。僕達はそれぞれ別れた。
その男の子と夏休みが終わるまで毎日空が青から暗くなるまで遊んだ。
だけど夏休みが終わると男の子はいなくなっていた。
俺は大人になって実家に帰ってきてアルバムを見ながら思い出していた。
だけど今も男の子についてはなにも分からないままだった。
─好きになれない、嫌いになれない─
好きにもなれないし嫌いにもなれない人がいる。
だからどう接していいか分からない。
"友達!"とも言えないし"嫌いな人"とも言えない。
でも嫌いになりたい訳じゃなくてその人の嫌なところも良いところも知ってるから。
嫌いなところはチームで何かをする時に積極的にしてくれなかったり自分勝手だったり。
でも良いところはみんなに優しいし何かと心配してくれたり手伝ってくれる。
最初は好きだったんだけど段々苦手なところが見つかっていって、でも好きなところもあるからなぁ、って思ったり思わなかったり。
だからどっちかに絞るためにいいところを探してみることにした。
嫌いなところは一旦目を瞑って好きなところだけをみようと思いながら2ヶ月過ごした。
でもやっぱり好きになれなかった。だからといって嫌いにもなれなかった。
やっぱ人それぞれ良いところと悪いところがあるから無理に好きになろうとしなくてもいっか、と思った。
自分にも気づかないだけで良いところも悪いところも普通にあるから。
無理に好きにも嫌いにもならなくていい。