薔薇を貴方に。

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─青い青い─

青い青い色が空に広がっている夏休みの初め。
僕は麦わら帽子を被り虫あみと虫かごを持って森へ向かう。

森へ入ると蝉の声がどこからも聞こえる。
かっこよくて強いカブトムシがほしくて森の奥へどんどん進む。
すると僕と同じ歳ぐらいの男の子が木を見つめながら立っている。その男の子も麦わら帽子を被って虫あみを持っている。
何を見るのかなと思い僕もその木を見つめる。
見つめた先には色々な種類のカブトムシが気に止まっている。
「すっげぇ」と嬉しくて口に出すとその男の子がこっちを見て「捕まえる?」と笑って僕に言う。僕は喜んで頷いて虫あみを構えてカブトムシを捕まえようと虫あみを振る。
でも捕まえることはできなくて俯く。
男の子は笑って「俺こういうの上手いから見ててな!」と言って虫あみを振る。虫あみを見るとカブトムシが入っている。
「すご!」と言うと男の子はカブトムシを虫あみから取って僕にくれた。
そこから川で水遊びをしたり鬼ごっこをしたりと遊んだ。

空を見上げるとあんなに青かった空が黒くなりかけていた。僕達はそれぞれ別れた。

その男の子と夏休みが終わるまで毎日空が青から暗くなるまで遊んだ。
だけど夏休みが終わると男の子はいなくなっていた。

俺は大人になって実家に帰ってきてアルバムを見ながら思い出していた。
だけど今も男の子についてはなにも分からないままだった。

5/4/2025, 8:52:31 AM