chai

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7/5/2025, 9:49:32 AM

危なげのない未来を裏切りたくて

わたしは生意気な瞳を
していたでしょうか

あれは20歳(ハタチ)
良くも悪くも
わたしたちは恐い物知らずな
青い風のようだった

人生の扉を開けた時から
少しずつ年をとり始め

それから
恋をすると好きな人が
世界の全てになってしまうような
恋もして

失恋して酔っ払って泣いた

誰かになりたくて
何かを掴みたくて
自分のことさえわからず
もがいていた

あれは20歳
人生の夏を荒々しく
わたしたちは駆け抜けた

心のままに吹きぬける
青い風のようだった

(テーマ 青い風)

7/4/2025, 2:35:19 AM

いつの間にか
いい人を演じてしまっていた

曖昧な笑顔でごまかしてきた
そんな自分に嫌気がさす夜

犬の遠吠えが聞こえてきて

あおおーん。と
わたしも鳴きたくなった


今すぐ駆け出して
どこか遠くへ行きたい

今すぐ自分の殻を脱ぎ捨てて
変わりたいよ


でも変わる時はそんなすぐ
綺麗に変われなくて
じわじわとダラダラと

醜い時間を過ごしてようやく
変われるのかもしれない


夜に窓辺で
あおおーん。と心で叫ぶ

一足飛びに遠くへ行きたいけど
そんな魔法はないから

ようやく一歩踏み出し
じわじわとダラダラと歩き出す

今日よりましな自分に
いつかたどり着きたい

(テーマ 遠くへ行きたい)

7/2/2025, 2:37:49 AM

夕立に降られ
二人で慌てて駆け込んだバス停

なのに5分後には
何もなかったような青空

まいったねって笑いながら
ハンカチをあてる
あなたとわたしの髪から
かすかな夏の匂い

雨に濡れたガードレール
通り過ぎる車の音
雨上がりの土や花の匂い

あなたと同じ空気や匂いを
まとっている気がして

恥ずかしいような
嬉しいような夏のはじまり

(テーマ 夏の匂い)

6/28/2025, 7:05:45 PM

別れて半年ぶりだね

呼び出された 
雨あがりの新緑の町

やり直さない?と微笑んだあなた

Tシャツにジーパンの
なんてことない格好なのに
あなたは輝いて見える

変わらない髪の寝癖が
相変わらず可愛い
そんなとこだってまだ好きだ

だけど

やり直さない
笑顔であなたに応えていた

その言葉をずっとずっと
待っていたのになぜだろう

短く切った髪と
薄手のブラウス
似合うって言ってくれてありがとう

泣きたいくらいまだ好きだよ

だけどわたし達はもう別の未来へ
歩き出してしまったから

決意のような青空を背負って
輝く白い太陽

夏だね

(テーマ 夏の気配)

6/22/2025, 7:08:22 PM

あなたが別の人に恋をして
「別れたい」と言うので
別れることにした

あなたは筋を通してくれたし
わたしは縋るような女じゃないし

終わることは二人にとって
自然なことだった

うん、わかったって
うなづいて

最後はカフェで会って
たわいのない話をして
お互い、ちゃんとありがとうって言って
元気でって別れた

どこか非現実的で
また会えるような気がしてた 

でも、それきり
連絡は来なくなった


あれから何度も夢をみる

夢の中
あなたから連絡が来る
「やり直さない?」って
「いいよ」とわたしは応え
「戻ってくると思ってた」と笑う

そこで目が覚める

なんて
なんてバカな夢だろう

もういっそ、消えてしまいたい

どこに   も…
行か ないで………

言えなかった言葉

ほんとは別れたくなんて無かった

聞き分けのない小さな私が
夢の中
泣きながら彼を追い続けている

(テーマ どこにも行かないで)

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