NoName

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5/4/2025, 1:25:41 PM

岩肌に絶えずぶつかる波を見下ろしながら
頬にあたる熱を感じていた

目線を横に移した瞬間に
熱源はさっと前を向いてしまう

ぬくもりが残る頬に潮風がかすめる
彼女のとがった鼻を目でなぞる

睫毛が震えるのはこちらを向く合図で
また波に目線を戻す

それを幾度か繰り返して
ようやく熱と熱がぶつかった



4/29/2025, 12:49:15 PM

好きと嫌いをを分けるラインの
ちょうど真上に立つあなたに
もう答えをきけない

4/29/2025, 10:00:06 AM

このまだら模様を、
なにもかも暴くような夏の日差しの下に
晒すことがどうしてもできなくて。

夜だけが味方に思えて。
半袖から通した腕はそれでも汗ばんで、
ごく稀にすれ違う人からは隠れようとする。

部屋に戻ると明かりをつけるまでもなかった。
白んだ光のなかで汗をぬぐうために
ボディシートを探した。滲みるはだが悔しかった。

4/27/2025, 10:42:20 AM

自分が「大人」であることに戸惑う

4/10/2025, 7:34:44 AM

信号待ちのベビーカーから手を振ってくれた赤ちゃん

「黒もいいのよねえ」と私のコートを軽くつまみ
また歩き去っていったマダム

正月のコインランドリーで立ち話したおばあちゃん

パン屋さんの場所を訪ねてきた観光客のひと

映画帰りのエレベーターでおもわずといったふうに
「あれってそういうこと?」って話しかけてきた女性

バイト中の私に青紫蘇と赤紫蘇の違いを
説明しだしたお客さん

昼休みに公園のベンチで相席になった
サラリーマン(とスズメと鳩)

目の前で転んだ私に
ティッシュを差し出してくれた学生さん



いつかすれ違ったみなさん
お元気ですか


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