チド

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12/31/2024, 1:19:05 PM

良いお年を

ゆえに遥か彼方過ぎた日々は、歳を忘れ恋も忘れ飲むる美酒はタラリトロリ流れ落ちた雨の雫こぼす涙筋を残す。明日の夕陽観たり微か煙る飛沫音を発すピアノ弾きつ隣り観つつ映画暗しうつつ目覚め耐えた日々は彼方遥か。                           


言葉あそび 

凝縮された蒼き悲哀は、胸の底に孔を穿ち。こひ薫る白き刃は、露を弾き玉と変わりつ。翼切り裂く風の名残は目玉を誘ひ愛を育む。折れた鉄扇下腹に喰い入り散らばる臓腑は何のためぞ。開きし口腔漆黒に展開、夜が降りて灯は清か幸せ積み上げ崩しは難し。愚か血脈吊られぬ死屍引き攣り笑みなど溶ける。皮の厚みは建築資材。漫画嘗めて美鶴折りて悦に煎りて転じ間悪。くり切った楔文字睨め付けて卸売り。血や褪せて花織為し花吹雪く七夕の夜。あの夏に刀咲きルナ晒し釜譲り浮く。引き攣れたあの餌撒き綱弾きて火薬羞づ。

12/30/2024, 8:50:14 PM

一年を振り返る

振り返る明日に想いをたくし、漂よう幻想に色は付く。形は流る気は流る。流れ流れてどこゆくの。流線型の身体は、液体蒸発日に上る。霧散し落下す大地には、無数の生物這い回る。ありとあらゆる残骸を、固めて揉んで味見する。衝撃的に細断し、ラーメン喰べてまた来年。

12/29/2024, 9:36:33 PM

みかん 

凝視を極めて対象を焦がし、黒点たよりに皮を剥く。爪にたまりしカス除き、感触味わい弄ぶ。かほる戦慄にときめいて、蒼い胸打ちねをたてる。衝動焼けつき歯をたてて、鮮血噴出恍惚感。

12/28/2024, 12:17:26 PM

冬やすみ

冬やすみを齧る。齧ったそれを小刀で削る。色を付けたく箸で刺す。ベートーヴェンの運命が流れ、驚いて障子の向こうの宇宙を観し時、冬やすみが弾けていた。冬休みに味覚を感じ、手のひらが緑にチクチクする。甘さを覚え幸福にあふれ、それを机の下へ秘す。ちぎっては喰みちぎっては喰み。あまりの柔さに涙を流す。

12/28/2024, 7:16:30 AM

手ぶくろ


手ぶくろの内部を覗いてみると、青の部屋に出た。床も壁も天井も真っ青である。あまりに青かったので、発狂して笑った。喉から直線的でカクカクした音色がまるで、レスポールギターのように、はじけた。やはり青色で、やっぱり青かいっ。と、ツッコミをいれながらニヤニヤした。女が入ってきた。予期していたように全身青色だったので、やはりな。と、カッコつけてみた。そんな事言ってる場合じゃないでしょ。と、女が言うので、状況を思い出しワンワン泣いた。もういいから、もういいから、と、床をこじ開け赤い宇宙へ身を投げた。

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