慕われるあの子。
嫌われる私。
賢いあの子。
馬鹿な私。
金持ちなあの子。
貧乏な私。
真面目なあの子。
不真面目な私。
器用なあの子。
不器用な私。
可愛いあの子。
不細工な私。
あの子と私じゃ全然違う。
いっその事、天と地がひっくり変えれば、あの子よりも上にいけるのかな。
ー逆さまー
僕が今まで書いた内容はこういうのあればいいなっていう夢だけど、この話を書いてるのは現実、みたいな。
伝わりましたか?
これどういうの書くか迷ったんだけど、書きたいの書くと長くなるし、時間無いしでこうなりました。
ー夢と現実ー
ずっと貴方と居られると思ってた。
私がこの手紙を書いたのは、貴方に知ってほしかったから。
私がどんなふうに思っていたか。
いつだったか、貴方は私に結婚指輪をくれようとしたでしょう?
嬉しかった。
もっと素直になれば良かったのね。
私は結婚指輪を貴方に返した。
だから貴方は私が結婚したくないのかと思って落ち込んだ。
なんとか誤解をといて無事に結婚できたんだけど。
結婚してからも何度か貴方は指輪を渡そうとしてくれた。
けどそのたびに断ったわ。
だって、なくしたく無かったから。
それでも、受け取って置くべきだったって思う。
貴方があの指輪を売ってしまう前にね。
正直、かってかもしれないけど、すごく落ち込んだ。
貴方と私は離婚したけど、離婚してから思うの。
もっと、大好きとか、愛してるとか、言っておけばよかったなって。
離婚したのだって貴方と私のすれ違いのせいでしょ?
不器用でも、優しく接していれば、喜びを表せていたら今頃、まだ結婚してたんだろうなって思うとなんだか切なくなっちゃって。
それと、話は変わるけど、私が引き取った犬、サックがいっちゃって。
これはちゃんと、伝えなきゃって思ったから。
サックは幸せだったのかしら。
もう十二歳、そろそろだとは思ってたけど。
結婚生活。
貴方は失敗したと感じているのかもしれないけど、私は幸せだった。
だからなに?って思うかもしれないけど。
話にオチはつけないけど、もしまたどこかで会うことがあったらよろしくね。
ーさよならは言わないでー
※空気の問題とかは考えてないです。
「あぁ、旦那様。私の可愛いあの子はどこへ行ったのです?」
「やめなさい。あんな「ルナたい」の話をするなんて。それより、私達にはこの素晴らしい子がいるじゃないか」
言って父さまは母さまのお腹を撫でられた。
その時ばかりは父さまの目は愛する我が子をみる目だった。
「母さま!母さま!出して!父さま!助けて…」
結局、僕は弟の姿をみることも叶わず深い深い地の底に落ちた。
人は生まれつき首元にマークがありそれで判断される。
「ルナたい」、「さなたい」、「きざし」
この世界は主に3つの階級があり住む世界が分けられる。
「ルナたい」
首元のマークが△(さんかく)な人がこの名を名乗る。
世間からはゴミ扱い。
地上とは切り離された太陽の光が届かない場所に彼らは居る。
その誰もが、優しく、臆病だ。
彼等はただ真っ直ぐ前を向く。
この目で一目太陽を見ようと。
「ルナたい」の子供から「きざし」がでた例はない。
「さなたい」
首元のマークが◯(まる)な人がこの名を名乗る。
「ルナたい」より人数が少ない。
劣等感を感じやすく、繊細で自意識過剰。
太陽の光の下で生き、暗闇を知らない。
いつも下を向き、自分達より劣っている者を見下している。
一方で傷つきやすく、ちょっとしたことでふさぎ込んでしまう。
「きざし」
首元のマークが☓(ばつ)な人がこの名を名乗る。
3つの階級の中で最も地位が高い。
「ルナたい」と「さなたい」の間に住む。
上には太陽、下には闇が。
ただ、「きざし」は最も重要な役を担っているので、失敗すると「ルナたい」に落とされることもある。
正義感と責任感が強い。
ほかの2つに比べ頭がいいのも特徴の一つ。
現在「きざし」は2人だけ。
「ねぇ、じいちゃん」
「?」
「弟は、元気?」
「あぁ」
じいちゃんの目元にぎゅっとシワがよった。
「そう…階級は?」
「……いや、心配することじゃないよ。現に今ここにいないじゃないか」
ここは「ルナたい」の住む場所。
最も人口が多く一番広い場所だ。
じいちゃんは真剣な顔に戻って言う。
「それより、また“上”が揺れたんだ。“下”に落ちてくるかもしれないから気をつけろよ」
「“上”って「さなたい」のこと?」
「そう、もう時間だ。楽しかったよ、次来るときはなにか持ってこよう」
じいちゃんの首元から△のマークがちらっと見えた。
※この世界は「ルナたい」「さなたい」「きざし」をそれぞれ自由に移動できる。
「はるくんのおじいちゃんって凄いよね」
はるは俺の名前。
「そう?」
「そうだよ!はるくんのおじいちゃんが「ルナたい」で一番最初に「さなたい」にあがった人じゃん」
「でも、すぐに戻ってくるかもね。ほら、前に「さなたい」から「きざし」に上がった人いたじゃん?あの人だって、「きざし」の人と性格が合わなくてすぐ「さなたい」に戻ってきたじゃん」
じいちゃんは滅多に“上”に行かない俺に色々教えてくれる。
前にじいちゃんが持ってきてくれたのはこの世界の形。
俺等が一番下の土台。
真ん中に「きざし」の場所があってその上に「さなたい」の場所がある。
砂時計みたいな形をしてた。
「きざし………良いなぁ」
「えっ?」
聞き返す。
「仕事は大変だろうけど、それでもちやほやされるんだもの」
「…純粋なんだな」
「はぁ?」
「違った。間違えた。…いいよな、きざし」
「…うん」
じいちゃんは、弟の階級の事を教えてくれない。
でも多分、弟は「きざし」だ。
「さなたい」なら俺に遠慮することも無いんだろうけど、「きざし」だとそりゃまぁ、うん。
遠慮する、よな。
俺は自分の首元のバツ印を触った。
俺が、11か12だったころ、弟が生まれる時。
ミスをおかした。
その頃の「きざし」は俺を入れて2人。
俺が「きざし」から「ルナたい」に落ちたのはすぐに報道された。
ただ、幸いだったのは「きざし」の顔は両親や兄弟、また、生まれた時に世話をする使用人にしか分からない点だった。
そして、俺が「ルナたい」に落ちてから、入れ替わるように「きざし」が生まれたのは大きく取り上げられた。
両親はどれほど喜んだだろう。
「きざし」を2人産み、そしてその1人は「きざし」として成功したんだから。
今、新しく入った「きざし」は瞬く間に成長しとんでもない量の仕事をこなしている。
笑った。
笑うしかなかった。
俺は性格が悪いのかもしれない。
あの地獄の環境で、何も知らず、せっせっと社会のために貢献している弟を、笑うしか無かった。
俺はあの部屋で「きざし」のために用意された部屋で、悟ってしまった。
俺達は透明人間なのでは無いかと。
俺は疑問だった。
なぜ、一番偉い俺達のマークがバツ印なのかと。
ずっと、考えていた。
ずっと。
先輩、俺より前にいた「きざし」に聞いてみた。
そしたら先輩は笑って言う。
「そりゃ私達が失敗作だからさ」
「でも」
「わかるよ、不思議だよね。じゃあ聞くけど、誰が決めたと思う?」
「何を?」
「私達の順位を、どうして「きざし」が一番上なのか」
「それは」
「私は、多分一番偉いのは「ルナたい」だと思うんだよね」
「はっ?」
「あんなにいい人達なんだよ?善人が不利になる世界、神様が作ると思う?」
「……」
「つまり、私達「きざし」は善人を導くために産まれたんだよ。
頭がいいのも正義感が強いのも、私達が分かった知識を独り占めしようしないように。
「きざし」は「兆し」だから。私達が生まれることによって時代が変わるでしょ?
そして、一番最初のはるくんの問いだけど、私達は人の手助けをするけど、時には悪い事もするから。
それに、はるくんは知らないかもしれないけど、「きざし」が「きざし」って名前じゃなくて、人の首元にマークが無かったころ、一度「きざし」が神様を否定してるから、神様が怒ったんじゃないかな?」
「そんな馬鹿な」
「いいんだよこれで。あんまり考えすぎると仕事ができなくなるよ」
俺達は人のために仕事をする。
生まれた時から、「きざし」に仕事をしないなんて選択肢はない。
俺達に言葉は無い。
ひたすらに数字書いて、たまに文字も書くけど。
きっと誰も読まない。
俺達がいくら、「きざし」は今後いっさい仕事をしないなんて言おうが無視される。
俺達の言葉は聞こえない。
兄として、弟が心配になった。
少しだけ。
「ルナたい」にも「さなたい」にも言葉はあって、活気にあふれてるけど。
「きざし」は常に、時間がおってきてひたすらに数字を書いている。
弟の苦悩が見えるようで、気持ち悪くなった。
ー光と闇の狭間でー
締め方思いつかなくてごめんなさい。
テーマとか考えてなくて何と無く書いたから自分でなにかに当てはめて読んでもらえたら嬉しいです。
あと、もしかしたら前のお題書いてなかったかもしれません。
ごめんなさい。
「泣いてる?」
返事はない。
「どうしたの?」
「別に」
消えそうなほど小さい声でそういう。
「静かだね」
辺りを見渡す。
今日は朝から雨が降っていた。
僕は友達の隣に少し間を開けて座った。
隣からは、本当に小さな、耳を澄まさないと聞こえないほど小さなすすり泣く声が聞こえてきた。
「大丈夫?」
僕の問いかけに小さく頷く。
雨の音がやけに大きく聞こえた。
何と無く友達の頭を撫でてみた。
「やめろ」
はっきり聞こえた友達の声。
「そんなに嫌?」
少し笑って聞いてみる。
返事はない。
ポケットの中を探った。
今日は持っていたはず…。
「あった」
思わず声に出してしまう。
ズボンの中とは違う布の感触。
それを勢いよく引っ張り出した。
「はい、ハンカチ」
「いらない」
「え?」
友達は自分の服で涙を拭っていた。
「もういいの?大丈夫?」
「大丈夫っていっただろ」
「なんで泣いてたの?」
「泣いてない」
そう言って笑う。
綺麗だった。
「心配してくれてありがとう」
走っていく後ろ姿を見ながら、僕の心臓が雨の音よりも大きく聞こえた。
やっぱり、あの笑顔は特別だ。
ー泣かないでー