Seaside cafe with cloudy sky

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9/13/2024, 10:59:12 AM

【夜明け前】

coming soon !

9/12/2024, 10:13:00 AM

【本気の恋】

coming soon !

9/11/2024, 10:54:27 AM

【カレンダー】

◀◀【喪失感】からの続きです◀◀

⚠⚠ BL警告、BL警告。誤讀危機囘避ノタメ、各〻自己判斷ニテ下記本文すくろーるヲ願フ。以上、警告終ハリ。 ⚠⚠




















厨房に行くと伯母さんは夜のシフトでやって来た調理師たちと夕食メニューの準備に取り掛かっていた。その手を止めてもらって、エルンストはアランとともにランチのお礼を述べ、にわかに決定した二人旅のことを話した。伯母さんは我がことのようにはしゃぎ、またあの訳知り顔の人の悪い笑みで、エルンストに無言のメッセージを込めた視線を送るのだった。その時アランのスマートフォンが鳴る。取り出してしばらく画面を見つめたあと、「失礼、外で電話を掛けてきます」と言って先に出ていってしまった。出ていく前にはもちろんのこと、伯母さんへ山のような感謝と賛辞を奉り、ふたたび手のキス、果ては頬ずりまでしてのフルコースを完遂させてからの悠々とした退場であった。伯母さんのご機嫌はエルンストと反比例してたいそうご満悦と相成り、その甥と同じく色素の薄い彼女は紅潮した満面の笑顔で、今日のこと、カレンダーアプリの日記に書いておこう!とキャッキャ浮かれることしきりだった。そして ――
「やっぱり想い人だったでしょ?」
アランが消えて遠慮することが無くなり、妬きもちで不機嫌なすね顔をみせている甥の頬をつつきながら無邪気に訊いてきた。そんな伯母の屈託のない様子に降参し、クスリとほろ苦い笑みを浮かべてエルンストは素直にうなづいた。
「 ―― うん。間違いなく僕の想い人で、愛しの彼で、運命の相手だった。悔しいけど今日やっと気付いたよ……伯母さんには敵わないな」
食事を終える前の彼とは明らかに違う、不治の病を患っての物憂げな雰囲気を湛えるようになった可愛い甥を、伯母は慈しみ深く抱き寄せた。
「エル……レオはどう思うか知らないけれど、私はいつだってあんたの味方だからね」
温かいハグ。幼い頃から母親同然の彼女。思わずジンとしてエルンストは抱き返す手に力がこもった。
「さ、次の行動に移らなきゃ。かならず明日からの休暇をゲットするのよ、エル。そしたら晴れてアランと一緒に居られるんだから。もうこの旅行中で恋人同士にまでなっちゃいなさい!上首尾を祈ってるからね!」
パシンといい音を響かせてエルンストの二の腕をはじくと離れていった。さっきまでの無人状態からうって変わり、これから店は大忙しの時間帯になるのだ。早々に調理台へと去っていく伯母の後ろ姿を頼もしく見送り、出ていく前に「愛してる、クラーラ伯母さん」と彼女の背に声を張って伝えた。すると伯母は振り向いて投げキスを返すとまた背を向け、厨房の仕事に戻っていった。

▶▶またどこかのお題へ続く予定です▶▶

9/10/2024, 12:01:48 PM

【喪失感】

◀◀【胸の鼓動】からの続きです◀◀

⚠⚠ BL警告、BL警告。誤讀危機囘避ノタメ、各〻自己判斷ニテ下記本文すくろーるヲ願フ。以上、警告終ハリ。 ⚠⚠


















「それで、ジュノーはまだ捕まらんのか」
スマートフォンのスピーカーから聞こえる島国言葉の、期待外れな返答にうんざりした溜息をこぼすと、ジェラルドは彼の母国である今大国の新大陸訛りで尊大に返した。
「休暇など返上して至急社に戻ってこなければ即解雇だと、脅してでもいいから連絡をつけろ。頼むぞ」
必死に言いすがる電話の相手の声を無視してそれだけ言うと通話を切る。そして高速列車の駅を出てタクシーに乗り、なじみの店へと走らせた。およそ二十分ほどの距離、後部座席にどっかりと身を落ち着かせ、流れゆく街の眺めは目に入れず道行く人々だけに焦点を当てて、左右前方の車窓を忙しなく見渡しながら目的地へと移動する。もう二年も会っていない、忽然と行方をくらました彼の想い人の愛しい姿を探し求めているのだ。その人物は以前、今向かっている店で働いていたが、ジェラルドにはなにも告げずに消えてしまった。俺の気持ちを分かっていながら、なぜ ―― いまだに未練断ち切れず喪失感に胸を痛め、仕事で西へ行くたびにその店へ足を向けては思い出を偲び、万が一の邂逅を願いながら人混みの中に目を走らせる。今回もやはり幸運には恵まれることなく、到着した想い人のいない店で虚しい時を過ごすこととなった。仕方がない、真面目に仕事をやっておくか ―― ここでも新大陸言葉でオーダーを済ますとテーブルにノートパソコンを開いてメールを確認する。受信ボックスには先ほど電話に出た担当者による「ジュノー氏休暇中のための不在による代理人にての措置」と題された最新メールが届いていた。あの野郎……気に食わんやつだがすこぶる有能だから、今回の急な打ち合わせも当てにしたというのに、クソッ。腹の中で毒づきながらメールを捌いていく。―― 突然休暇なんぞ取りやがって、連絡もつかせずにどこで何してやがるんだ ―― 運ばれてきたビエールとクラブハウスサンドを口にしながらジェラルドは、仕事とプライベートともにツキのない憤りをパソコンのキーに叩きつけていった。

▶▶またどこかのお題へ続く予定です▶▶

9/9/2024, 1:31:39 PM

【世界に一つだけ】

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