晴れた日の午後には
大好物のママレードサンドイッチをバスケットに詰めて、ピクニックに行こう
アールグレイのミルクティーとチェックのテーブルクロスも忘れずに
森の中には私だけの秘密の場所
切り株にテーブルクロスをひいたなら、さぁ!みんな、いらっしゃい!
ティーパーティのはじまりはじまり
とある国のお話です。
いつもランタンを持っている住人たちがおりました。
それは真鍮でできた小さいものですが、大人も子供も晴れの日も雨の日も、いつもみんなが持っています。
王様が住んでいるお城の前には美しい広場があり、今日は国中の人々が集まっています。
もちろん、みんなの手には火が灯ったランタンがあり、その景色の美しさは素晴らしいものでした。
みんながお城を見上げて待っていると、王様がバルコニーから出てきて言いました。
みんな、この1年も炎を絶やさず、よく頑張ってくれた。みんなの、みんなを思うその心が、力となって消えないランタンの灯りになるのだ。おかげで今年も作物がたくさん獲れた。山からは綺麗な水が湧き、木々や花々も元気に咲き誇っている。さぁ、順番に並んで、その恵みを持っていきなさい。
王様がそう言うと、音楽隊がメロディーを奏で、広場では次第に飲めや歌えやの宴が始まりました。
この国で、みんなが持っているのは魔法のランタン。
みんなの心の持ちようで火は大きくなったり、小さくなったりするようです。
今年も平和であったのは、みんなのおかげ
その晩、お城からはたくさんのご馳走とお酒が振る舞われ、みんなが笑顔で過ごしました。
ランタンのあたたかな灯りを見つめ、とても幸せな気持ちになりました。
そして、ランタンの火を消さないことを強く心に誓いました。
星が輝く夜空を見上げて誰もが思ったことでしょう。
ずっとこんな毎日が続きますように、と。
その願いはきっと叶います。
ランタンの灯りを、幸せな気持ちで見つめる人々がいるかぎり。
もしもオバケがいたとして
どんな姿をしているの?
どうして私の目には見えないの?
恥ずかしがり屋さんなのかしら?
お友達にはなれないかしら?
それとも、やっぱり恐ろしくて、うっかり呪われちゃったりしてね
それとも、それとも、オバケも人が恐いのかもね
真っ暗闇の天井見上げて、まだ見ぬものに思いをめぐらせ、まぶたが落ちて、おやすみなさい
夢の中なら会えるかしら?
太陽の光を浴びて、輝く海に向かってね
大きな翼をはためかせ
あちらへ、こちらへ、ぐるぐると
やがて、ばさりと音をたて、遠くへ飛んでいきました。
置き土産には、それは美しい一片の羽根
そうだ、これは首飾りにしよう。なんて素敵な考えかしら!
胸元でこの羽根が揺れたならば、きっと一緒に飛べるはず
海の彼方へ、遠く遠く、風にまかせて自由気ままよ
列車の窓から外を眺めていると、
隣にかけた女の子が人さし指をたてて言いました。
私の秘密の箱を見せてあげるわ
目をやると女の子の膝には小さなお花の飾りのついた箱がありました。
ママが持たせてくれたのよ
そっと蓋をあける手元を見つめていると中には色とりどりのキャンディがいっぱい
女の子はキャンディをひとつ手に取り、口に入れると言いました。
あなたの箱は何が入っているの?
自分のもとには女の子のものより一回りは大きい箱がありました。飾りはなく、中にキャンディも入っていません。そのかわり、きらきら輝く硝子が組み合わさって、うっとりするような美しい箱でした。
中身は秘密なの、でもね、きっといつかわかる日がくるわ。そんな気がするの。だから、それまでごきげんよう!
箱が壊れてしまわぬように、そっと抱えて、ひとり列車を降りました。空は昼間だというのにどんより曇っていて、まるで夕暮れのようでした。
けれども、なんとも不思議な心地です。この美しい細工の箱を持っているだけで、ぽかぽかあたたかくなるような、まわりが明るくなるような、ともかく幸せな気持ちになるのです。
さて、どちらへ行こうかしら?
箱を抱えてどこまでも遠くへ向かえるような気がします。雨が降りそうだけれど、それでもきっと大丈夫。
行くあてもなく歩いていくことにしました。
いつまでも、どこまでも、どこか素敵な場所に辿り着くまで。