後悔しないようにって、未来のことばかり考えてた。
未来のことばかり見てて、今を見ていなくて。
今を大切にできなかった。
だから、貴方は少しずつ離れていった。
今を楽しむ貴方と、未来を見る私とは、考え方が違いすぎた。
何度も衝突して、結局何も残らなくなった。
手に入れたのは、お望み通りの未来だけれど、これでよかったのだろうか。
あれ、結局後悔してる。
おかしいなぁ。
何も考えず、遠くへ行くことが出来たなら。
「久しぶりの連休だし、どっか行く?」
「お金かかるし嫌だよー」
「遠くへ行きたいんじゃないの?」
「何も考えず、行きたいの。お金とか時間のこととかも考えたくないのー!」
貴方はやけくそにそう叫んで、レモンサワーを一気に飲み干した。
そういえば、休みがないとか、お金が無いとか、最近その事で私に愚痴ってきたことがあった。
仕事があまり、上手くいっていないのかもしれない。
「風に飛ばされるしかないね」
「わぁ、それいいな。どのくらい痩せたら飛ばされるかな?」
「ちょ、無理なダイエットは体に悪いからやめなね?」
「うそうそ、やらないよ。でも、風に身を任せられれば、どれだけ楽か」
今過ぎていく時間も、これから迫られる選択も、正直全部受け身になってしまいたい。
誰かに、背中を押されたいのかもしれない。
誰か、じゃなくても、風に。
失うことなんてない。
だって、私の中にはずっと残り続けるから。
貴方と過ごした記憶はずっと、ずーっと残り続ける。
でも、私の心にだけ閉まっておくのは違うの。
「誰ですか?」
失われた時間。
高校生の頃の記憶が、すっぽりと無くなってるって。
ねぇ、誰が奪っていったの?
私と貴方だけの青春を、誰が奪ってしまったの?
失われた時間を、復元するだなんてできない。
でも、失われた時間以上の、日々を過ごしたなら。
それが、私と今の貴方で出来るのかな。
「上手くなったね!」
「半年の間何やってたの?」
「もうあんたとは親友じゃないから」
「もっと大きな音出しなさい。あなたの音は柔らかいしもっと出しても絶対痛くならないから」
忘れられない言葉を、集めました。
忘れられない、いつまでも。
死ぬ時もきっと、思い出すでしょう。
学生の頃にとって、1年後っていうのは未知の世界と思えたのに、大人になったら、1年後なんて今と何ら変わらない世界が繰り広げられていると思うようになる。
学生にとっての1年は、大人にとっての10年分の思い出が詰まっていて、大人にとっての1年は、きっと学生にとっての一日でしかないのだから。
こんなことを、学生の私が書くのはおかしいけれど。
でも、大人達が常々言っている「もう大晦日か」という言葉が、今回のお題を見て頭の中に響いたから、そうなのかなと思いながら書いてみた。
私にとっての1年後は、恐怖と希望で満ちています。