何も考えず、遠くへ行くことが出来たなら。
「久しぶりの連休だし、どっか行く?」
「お金かかるし嫌だよー」
「遠くへ行きたいんじゃないの?」
「何も考えず、行きたいの。お金とか時間のこととかも考えたくないのー!」
貴方はやけくそにそう叫んで、レモンサワーを一気に飲み干した。
そういえば、休みがないとか、お金が無いとか、最近その事で私に愚痴ってきたことがあった。
仕事があまり、上手くいっていないのかもしれない。
「風に飛ばされるしかないね」
「わぁ、それいいな。どのくらい痩せたら飛ばされるかな?」
「ちょ、無理なダイエットは体に悪いからやめなね?」
「うそうそ、やらないよ。でも、風に身を任せられれば、どれだけ楽か」
今過ぎていく時間も、これから迫られる選択も、正直全部受け身になってしまいたい。
誰かに、背中を押されたいのかもしれない。
誰か、じゃなくても、風に。
5/14/2024, 1:10:17 PM