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4/16/2024, 12:19:13 PM

夢なんて、大嫌い。

「そう?夢は色んなことが出来るじゃない!」

「その夢じゃない。心が見る方の夢」

「あぁ」

貴方は、理解したようだけど適当に返事をした。

「夢見る心、とっても素敵じゃない。現実ばかり見つめてたら、心が閉ざされちゃう」

「でも、開けっ放しにすると、泥棒が入ってきちゃう」

「そんなやつは、夢の中で木っ端微塵にしちゃえばいいのよ」

「でも、なにか盗まれるかも」

「それなら、その盗まれたもの以上のものを手に入れればいいじゃない」

貴方は、変に楽観的だ。それが出来たら、悩んでいないと言うのに。貴方に相談していないというのに。

「とにかく、夢見る心を大事にしてね。それだけ」

さ、飲も飲も、と貴方は私のグラスにレモンサワーを注いだ。

4/15/2024, 11:05:47 AM

届かぬ想いの行き先。

「ねぇ、最近飲みすぎじゃない?」

「いいじゃんたまには~。最近趣味やる元気すらないんだよ~」

頭がふわふわする。このまま風船みたいにどっかに飛んでいきたい。

「なんかあったの?」

「いやぁ別に~。仕事は上手くいってるし、人間関係もそこそこだしね~」

「そっか……じゃあ疲れてるだけ?」

「うーん……まぁ多分そうじゃない~」

お酒が回ってるのに、この想いは貴方に言わないようにと、冷静に言葉を選んでる。

それくらい、届いては行けない想いなのだから。

勝手に、届かぬ想いとか言ったけど、

届けられないの、私が臆病だから。

「……ねぇ」

「ん、どうしたの?」

結構飲んでるはずなのに、凛々しい顔つきなのは変わらない。

このまま、酔ってるってことにして、貴方に想いを伝えたら。

「付き合ってくれる?……もう一杯!」

「……はぁ。あと1杯だけね」

呆れたように私を見る貴方は、どこか安心しているようだった。

届かぬ想いは、無理やり酒で流し込んで、そのまま身体中を駆け回るだろう。

4/14/2024, 11:45:06 AM

「ねぇ、神様っていると思う?」

「えぇ、宗教勧誘はお断りだよ」

今日も疲れを身にまとって、貴方とお酒を飲む。少しずつ酔いが回ってきたからか、貴方も私に変な質問を投げかけてくるようになった。

「そういうのじゃないって〜!」

「分かってるよ。うぅん、神様かぁ。いるんじゃない」

スピリチュアルは結構すきだし、占いとかも興味があったりする。でも、私は適当に、興味無さそうにそう答えた。

「じゃあさ、神様になにか手紙かけるとしたらどういう内容を書く?」

「手紙?そうだなぁ、運命の人は誰ですか、とか?」

「運命の人なら目の前にいるでしょー」

「はいはい、あんたは?」

「私?えーっとねー……す、好きな人の好きな人とか」


神様へ

臆病な私は、自分の思いを伝えられないままでいます。

この世界では、いわゆる普通ではない恋らしくて。

そんな言葉に縛られてる私を、助けてください。

神様、普通ってなんですか。

なぜ普通でなくちゃ、いけないんですか。

4/13/2024, 11:43:24 AM

「明日、雨降らないかなぁ」

と、雨嫌いな貴方がそっと呟いた。

「なんで?」

「明日体育があるんだよ。はぁ、嫌だなぁ」

体育、そういえば明日は体力テストか。あまり体を動かすのが得意じゃない貴方は、体力テストが迫ると毎回雨を期待する。

私はスマホを取り出して、明日の天気を確認する。

「明日は……快晴みたいだね」

「えー!もう、こういう時に限って……」

貴方はがっくりと首を落とす。そんな貴方を、愛おしいと思ってしまった私がいた。

「まぁ、明日頑張れば終わりなんだからさ。頑張ろ?」

「うぅ、明日頑張れば、かぁ……」

いつもは前向きなのに、体育となるといつもこうなる。明日は、学校が終わったら新作のスイーツでも奢ってあげよう。

せっかく、貴方の大好きな快晴の日なのだから。

4/12/2024, 11:22:00 AM

「なんで人は、遠くの空へ行きたがるの?」

貴方は、何気ない質問を私に投げかけた。

なぜ遠くの空へ行くのか……新しい出会いを求めて?刺激を求めて?でもなんで?

今の生活が、窮屈だから?人間関係に疲れたから?

「うぅん、縛られてるから、じゃない」

自分の中で自問自答して、ようやく出た答えは、なんだか在り来りのような気がした。

でも、貴方は満足したようで、

「ありがとう」

とだけ呟いて、飲みかけのレモンサワーをちびっと1口飲んだ。



ある平日の昼下がり、貴方は急に私を飲みに行こうと誘った。そんな日の、出来事。
あの日を境に、貴方は遠くへ旅立ってしまった。
私に、何も知らせずに。相談もせずに。
いや、あの質問が、もしかしたら相談だったのかもしれない。
それに気づけなかった私は、きっと、親友失格ね。

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