夢なんて、大嫌い。
「そう?夢は色んなことが出来るじゃない!」
「その夢じゃない。心が見る方の夢」
「あぁ」
貴方は、理解したようだけど適当に返事をした。
「夢見る心、とっても素敵じゃない。現実ばかり見つめてたら、心が閉ざされちゃう」
「でも、開けっ放しにすると、泥棒が入ってきちゃう」
「そんなやつは、夢の中で木っ端微塵にしちゃえばいいのよ」
「でも、なにか盗まれるかも」
「それなら、その盗まれたもの以上のものを手に入れればいいじゃない」
貴方は、変に楽観的だ。それが出来たら、悩んでいないと言うのに。貴方に相談していないというのに。
「とにかく、夢見る心を大事にしてね。それだけ」
さ、飲も飲も、と貴方は私のグラスにレモンサワーを注いだ。
4/16/2024, 12:19:13 PM