あひる

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5/6/2025, 1:31:03 PM

ラブソング


今はもっぱら失恋ソングしか聴いてないことに気づいた。

5/5/2025, 4:05:26 PM

手紙を開くと



 
 実家の整理で学生時代のままにしていた自分の荷物を20年ぶりに開けた。

 その中に、当時の自分が残しておきたいと手紙をしまった箱が出てきた。

 開けると一気に学生時代の自分に会えた。友人や大切に想っていた人からのメッセージは、温かいものばかりだった。

 悲しいことが続いたけれど、もう少しがんばってみよう、そう思った。
 
 
 

12/7/2024, 3:18:07 PM

部屋の片隅で

「久しぶり。元気だった?」
 半年前に別れた彼の声に心がざわめく。
 気づかれないように冷静を装う。
「え、元気だよ。番号変えた?」
「え……変えてないよ……そっか……ごめん、俺勝手だよな」
「いや、そうじゃなくて、」
「いや、いいんだ。そんなもんだよね。俺の方が別れたこと、すごく後悔してたんだな」
 違う、そうじゃない。
 番号を入れたままにしたら、かけてしまいそうで縋りたくなくて消去した。
 かかってきたら、その時考えよう。そう思って部屋の片隅には、まだ彼の荷物がある。
「この気持ち伝えないと俺、一生後悔すると思って電話かけたんだ。でも、もうユミは……」
 350キロは思っているより遠い。
 そうじゃないと言いたいけど……言えない。
 

 半年が過ぎた。
 結局、あれから電話がかかってくることはない。
 部屋の片隅で積まれた3つの段ボールが問いかけてくる。
 ――本当に後悔するのは……。
 

12/6/2024, 3:45:10 PM


 逆さま

 
 うちには逆さまの住人がいる。
 今も3人から4人、冷たい環境に置かれている。


「使い切っちゃうね」
 彼がそのうちの赤い子を選んだ。オムライスによく合う。
 お尻の方を持ちフリフリすると「あっ!」と叫んだ。
「ふっ」
 思わず笑ってしまった。
 フタが開いて、飛びちった赤い液体。
「ごめん」
 いつもクールな顔なのに、赤くなっている彼に思わず笑ってしまった。
「拭けば大丈夫」

 ――ただ一緒にいられるだけで良かった。

12/6/2024, 3:27:48 AM

        午前1時の緊張。

 
 やっと隣で規則正しい寝息を立て始めた彼女を起こさないように、そっとベッドを抜け出した。
 
 ワンルーム。
 音を立てずに暗闇の中、机の引き出しを開ける。
 あらかじめ用意しておいた糸とペンを手にして、彼女のブランケットを少しだけめくる。
 その細い薬指に糸を巻き、ペン先を糸にあてた。
 すぐブランケットを戻し、糸とペンを引き出しにしまう。

「……ん? どうかした?」

 ――やばっ。

 後ろから彼女の声がした。
「あ、トイレ行ってた」
 ごめん、ごめんと言いながらベッドに入る。
「寒くない?」
 寝ぼけた声で彼女が言う。
「大丈夫だよ、おやすみ……」
「ん」

 ――びっくりした。

 彼女が再び規則正しい寝息を立て始めるまで、オレに寄せてきたその体を抱きしめた。
 気づかれただろうか? 
 まだ心臓がドキドキしている。


 お題:眠れないほど

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