視線の先には、僕がいる。
、、
視線の先は、きれいになった。
でも、湖は汚くなった。
視線の先には、何もない。
視線の先には、誰も居ない。
視線の先には、誰かいる?
視線の先には、楽しそうなひと。
視線の先には、泣いているひと。
視線の先には、おこっているひと。
視線のさきには、よろこんでいるひと。
しせんの
しせんの、 しせ のさ には
もう、なにもない。
すべてのぼくも。なにもかも。
ぼくは、、、
すい死たい。
"視線の先には"ごめんなさい。
この道を進んで、何がある?
生きている意味なんて無いのに。
いつかは終わって欲しいけど。
終わらないと分かっている。
例えば地震が起きて。
例えば空から隕石が降ってきて。
例えば、例えば、例えば。
私は誰かに、何かに殺されるのを願っている。
いや、前者はないか。
だって。
だってこの世界には、私しか生きて居ないから。
1人で何年、何十年、何億年と生きている。
それはそれは、孤独だった。
でも、
ついに終わる。この赤く染まった世界は、今日で終わる。
私の周りは火の海で、
怨霊達が私に死を願って居て。
あぁ。なんて私は皆に思われているんだろう。
1人じゃない。独りじゃない。ヒトリジャナイ。
ひとりじゃないから、怖くない。
火の海に囲まれて、もうすぐ世界が終わる時、私は、、、私たちは、、、
笑い、泣いて居た。
"この道の先に" ごめんなさい。
眩しいな。
君たちみたいで眩しいな。
カーテンから漏れ出す光。
開けると、今日が始まる。
地獄みたいな今日が始まる。
窓越しに見えるのは、
夢を見ている少年と、踏切へ飛び込む少女、死にたそうな顔をした少女、赤い糸を結びつけている少年。
この世界は、沢山の人がいる。
本当に、沢山の人が。
だけど皆、現実が嫌いだ。
そして、自分を嫌っている。
大人になった自分が、小さな子供を羨ましく思うのはそう言うことだろう。
何も考えずに、ただ「楽しい」とかの感情で生きて居られるから。
でもそんな皆んなを羨ましく思う。
私は、私は、命が長いから。
だけど私は、死のうとしても死ねない。
ただ殺されるのを待つだけだ。
人は、私より遥かに小さくて、脆い。
私は、人より遥かに大きくて、脆いとはかけ離れた存在。
私は強い。全てを知っているから。
だって私は、全てを見ているから。
だって私は、太陽だから。
"窓越しに見えるのは"
「いくら離れても、赤い糸があれば大丈夫!
いくら辛くても、赤い糸があれば大丈夫!」
「皆さんも、誰かと誰かを結ぶ、縁結びの「赤い糸」はいかがでしょうか?
今ならなんと、二万円で購入できますよ!」
歩いている人は皆、愛に飢えている。
だから皆、外に出て歩いている。
そんな人のために、私は「赤い糸」を売る。
人と人の指を赤い糸でリボン結びすれば、「別れることはない」という物があるからだ。
でも、間違った場所につけて、間違って切ってしまったら。
「その人とその人は、縁が切れる。」
愛に飢えていても、愛に飢えて居ない人も。
誰かとの縁を気にして、沢山「赤い糸」を買っていく。
だけど。たまに変な人がいる。
「愛は気持ちだ」とか、「赤い糸なんて嘘だ!」とか。
なんでだろう。「赤い糸」の効果は本当なのに。
だって、私だって実際にやってみたから。
そしたら、実際に私を愛してくれた。私も「愛」を知れた。
だけど私には縁を切る事も必要だったから。
糸をあの人と私に。そしてあの人とあの人に。
繋げて切った、私の縁。
縁を切ったら。
あの人と私の縁は、切れた。
「嬉しい」と、思った。
だから私は皆んなにも「嬉しい」と思って欲しくて。
「赤い糸」を売った。
「赤い糸」は効果が本当だ。
だけどそれ故、効果実大だ。
「そんなつもりはなかった。」
なんて言う人もいるけど。
「縁を切れてうれしいでしょ?」
と言ったら、自分の行いと私に虐げる様な視線で睨んでくる。
でも私はどうでもいい。
だって「赤い糸」を買わない人なんていらないから。
繋げて切る。
繰り返す。
それでも買う人は絶えない。
だって皆んな「愛」に飢えているから。
『最近、自殺者が多いですよね。』
『ええ、そうですね。しかし、その自殺にはある共通点があるんです。』
『共通点、ですか?』
『ええ、実は自殺者は必ず2人1組か1人で、手に「赤い糸」を結びつけているんです。それも何本も。』
『赤い糸、ですか』
『本来の「赤い糸」には、人と人を結びつける効果があります。ですが、沢山結びつけると、それ程効果が高くなります。なので恐らく無理心中だと思われて居ます。しかし、赤い糸を結びつけている人が1人の場合もあります。そちらについては恐らく「恨み」などの場合で、「縁が切れる」を表しているのだと思って居ます。』
『へぇー。そうなんですね。本来は縁を結ぶ良い物なのに、使いすぎたりするとダメなんですね。』
『はい。そうなんです。』
『皆さんも気をつけてくださいね。 それでは、次のニュースで』ブチッ
酷いね。そんなことを言う人もいるんだ。
皆んなが求めているから作ったのに。
自分勝手だね。
だから私は、赤い糸を使うんだ。
"赤い糸"ごめんなさい