君の目を見つめていると、
『何かついてたかな?』と君は言う。
「ううん、何もついてないよ。」『そっか』
君は何時も笑っているけど、本当はそうじゃ無い。
何時も其の目は笑っているようで笑っていない。
今日は其の事について聞いてみようと思った。
理由はなんとなく。
「なんで何時も笑っているようで笑っていないの?」
其れを聞いた瞬間、君の目は揺れた。
そして、怯えているような、何かを恐れているような目をしていた。
『どうして、そう思ったの?』
「何となくそう感じていたから」
聞いてはいけないことだったのだろうか。
「言いたく無いのなら無理には聞かないよ」
僕がそう言うと君は、ほっとしたような顔で
『ありがとう』と言った。
君の目はとても綺麗な蒼色。
海のようにキラキラとしていて僕は好き。
でも、其の瞳の奥には何か別のものが見えているように感じる。
同じものを見ていても、其の瞳は僕が見ているものとは違うものを写しているように感じた。
でも、その瞳は見た事があるような気がした。
あの時の僕と同じ。
大切なものが壊れてしまった時から僕は、
君と同じような目をしていたと思う。
何を見ても色褪せていて、どーでもいいと感じてた、
あの頃の僕と同じ目。
君の瞳に何時か、光が差し込むことを僕は願おう。
世界が色褪せ見えるのは詰まらないでしょう?
君の世界にも何時かは色がつくでしょ?
僕がそうだったんだから。
お題〚君の目を見つめると〛
夜になると私は何時も空を見る。
曇り空の時は余り見ないけど。
晴れた日の夜は星が見える。
キラキラと瞬いている。
私が八歳の時に父は死んだ。
母は、『お父さんはお星様になった』と言っていた。
其れが意味する事を分からない歳でも無かった。
十六歳の時、母は死んだ。
過労死だった。
私の為に頑張ってくれているのは知っていた。
でも、死んでしまう程私の為に頑張っていたと思うと、何だか申し訳無かった。
そして、二年前に私の大好きな彼は交通事故で
死んだ。
どうして神様は私から大切な人を奪うのだろうか。
私は今、星を見ている。
彼の好きだった星空を見ている。
母は言っていた。
『死んだらお星様になって、貴方の事を見ているわ』
だから私は星空を見ている。
貴方達が空から私を見ているのなら、
私は星空を見上げている。
でも、私は何時も星空の下で泣いてしまう。
とても大切で、大好きだった人達との思い出が、
星空を見ていると勝手に蘇ってくる。
私は今日も星空の下で泣いている。
「もっと一緒に居たかった....。」
私の声は夜風と共に消えていった。
お題〚星空の下で〛
世の中は曖昧なことが多い。
どれだけ不思議に思っても、最後は
"そういうもの"で終わる。
人生なんて深く考えすぎたら駄目。
お気楽に生きてる方が幾分もマシになる。
何でもかんでも突き詰め過ぎ無いのが丁度良い。
人生なんてそんなもの。
『こうした方が将来は良い』
『こっちの方がこの先の為にも良い』
なんて考えはいいとは思う。
けど、考えすぎるとしんどくなっちゃう。
"この先の為"なんてさ、
先の事は未来の自分に任せちゃえ。
未来の事は未来の自分にしか分からない。
もしも将来、『あの時こうしていれば良かった』
なんて考えてても意味は無い。
だって、その時自分で、
「これでいい」って決めたから。
だから、今将来の事で悩み過ぎててもしょうがない。
今自分がしたい事をしてたらいい。
先の事は未来の自分に任せとけ。
この先自分がどうなるかなんて、
自分の行動次第だから。
今の自分はそのままで良い。
其れでいいんだよ。
今の自分にとって其れが一番いいのなら、
それでいい。
きっと後悔しないから。
後悔しないようにこの先考えて行くから。
だから、其れでいいんだよ。
お題〚それでいい〛
もしも、一つだけ願いが叶うなら、
皆さんはどんな事を願いますか?
お金持ちになる事?
好きな人と結ばれる事?
病気や怪我を治すこと?
どれも魅力的で、選べないとも思えますよね。
けれど僕にはずっと前からある願い事があります。
『たった一人の妹を生き返らせる事』
周りの人は"叶うはずない" "無理に決まってる"
誰もがそう言います。
けれど僕は願っています。
だって、お母さんが言っていたから。
『願い事は願い続ければ、何時かは叶うもの』
嗚呼でも、今思えば願い事は二つかもしれない。
"車に轢かれて死んだ妹"と"妹を産んで死んだお母さん"
僕にとってはどちらもたった一人の家族。
どっちを選ぶのが正しいのかな?
お題〚一つだけ〛
僕は昔、"大切なもの"が目の前で壊れた。
壊れたのは母の形見である金の懐中時計。
僕は当時、虐められっ子だった。
何時もは我慢をしていたが、形見を取られた時だけは我慢が出来なかった。
彼らは其れをおもしもがって僕に返そうとせず、反応を楽しんでいた。
壊れてしまったのは唯の偶然。
彼らにそんな意思は全く無かった。
だが、壊れてしまった。
彼らは焦り、「俺たちは悪くない」「こんなの持ち込んだお前が悪い」と言った。
確かに彼らのいる所に持ってきてしまった僕も悪い。
でも、壊されて謝罪の一つも無いのは可笑しい。
当時の僕には其れだけでとても辛かった。
けれど今の僕は違う。
あれから僕はとても大事な事に気付いた。
"大切な物は壊されやすい"
だから僕は大切な物を作りたくない。
人は大切な物を壊されたら怒る。
仕返しをする人もいるのだろう。
だから僕は、いじめっ子達を数年前に"壊してしまった"
これが僕の生きている道。
大切な物は無い方がいい。
けれど、時々思う。
『大切な物があればどれだけ幸せなのだろう』と。
幸せは壊れやすい。けれど壊れないよう考えている。
幸せとは、何時か壊れるから。
僕は大切な物が無い。
作ろうとしないから。
でも、本当は壊れてしまうのが怖いから。
僕は、臆病者なのだろうか。
お題 〚大切な物〛