君の目を見つめていると、
『何かついてたかな?』と君は言う。
「ううん、何もついてないよ。」『そっか』
君は何時も笑っているけど、本当はそうじゃ無い。
何時も其の目は笑っているようで笑っていない。
今日は其の事について聞いてみようと思った。
理由はなんとなく。
「なんで何時も笑っているようで笑っていないの?」
其れを聞いた瞬間、君の目は揺れた。
そして、怯えているような、何かを恐れているような目をしていた。
『どうして、そう思ったの?』
「何となくそう感じていたから」
聞いてはいけないことだったのだろうか。
「言いたく無いのなら無理には聞かないよ」
僕がそう言うと君は、ほっとしたような顔で
『ありがとう』と言った。
君の目はとても綺麗な蒼色。
海のようにキラキラとしていて僕は好き。
でも、其の瞳の奥には何か別のものが見えているように感じる。
同じものを見ていても、其の瞳は僕が見ているものとは違うものを写しているように感じた。
でも、その瞳は見た事があるような気がした。
あの時の僕と同じ。
大切なものが壊れてしまった時から僕は、
君と同じような目をしていたと思う。
何を見ても色褪せていて、どーでもいいと感じてた、
あの頃の僕と同じ目。
君の瞳に何時か、光が差し込むことを僕は願おう。
世界が色褪せ見えるのは詰まらないでしょう?
君の世界にも何時かは色がつくでしょ?
僕がそうだったんだから。
お題〚君の目を見つめると〛
4/6/2023, 12:29:49 PM