のーねーむ。

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9/29/2024, 10:38:45 AM

私の部屋は、基本的に静かだ
適度に掃除もしてあるし、必要なものしか置いてない
時々、生活音はするがそれ以外は呼吸の音しか聴こえない
静かな部屋

…でも最近、賑やかな音もするようになってきた
彼が来るようになってから

無口な私とは反対で、とてもおしゃべりな彼は
いつも楽しそうに話す

それは、好きな漫才師のネタが凄い!
だとか
テストが難しい
とか

彼の話はいつも興味深いし、面白い


ガタッ
あ、帰ってきた
可愛い可愛い甥っ子が

「ねぇ、今日はどんな事があったの?」
「あのね、ー」

9/28/2024, 11:01:11 AM

私の彼氏は犬
犬系男子、みたいなものじゃなくて本物の犬
正しく、犬
今も、茶色いふわふわを、

これはなんだ?

とばかりに、グルグル追いかけて回ってる 
自分のしっぽなのにね

午後6時を知らせるチャイムがなる
そろそろ帰らなければ

けれど、その前に

「ねぇ、こっちむいて。」

ちゅ
彼の黒く、湿った鼻に触れるだけのキスを贈った

「また明日」

9/27/2024, 11:20:14 AM

雨なんて、嫌い
君とあの子がおんなじ傘に入って笑い合うのが、
目に入ってしまうから

「いいなぁ。」

君が、好きだった
無邪気な笑顔が好きだった
明るい笑い声が好きだった

…私も、相合い傘して笑い合ってみたかった
それはもう、叶わない夢

あの子と君は、両思いで
かわいいかわいいカップルだ
私が間に挟まるなんて、できない


通り雨が降る
しとしと、と
少ししたら止んで、彼と彼女は笑うのだ

「急に降ってびっくりしたね。」

って

9/26/2024, 11:01:22 AM

紅い紅葉が
一枚、二枚、落ちてくる
道の至るところに落ちていて
まるで、赤い絨毯みたい 

紅色の美しい葉を踏みたくなくて、少しつま先立ちで歩く
それでも、踏んでしまう

仕方ないことだ
だって、所狭しと落ちているのだから
意味がないことなのだ

急に哀しくなってくる

もし、すれ違いなどなかったら
もし、君と別れることがなかったのなら
君は私に

「なにしてんの」

なんて聞きながら、いっしょにやってくれたのだろうか
いっしょに肩を並べながら歩いてくれただろうか

今更思っても意味がないとは知っているけど
それでも君に会いたい

会ってふたりで
この紅い、美しいレッド.カーペットを
笑いながら歩きたい


恋が色付き、枯れていった

9/25/2024, 10:44:25 AM

廊下側
右隣には誰もいなくて
何も貼っていない掲示板だけがぽつん、とある

くじ引きで決まった席だもの
異論はない
ただ、少し残念に思うだけ
運がなかったなぁ…って

本当は、君の隣が良かった
にこにこと笑う君の隣で微笑んでいたかった

会えるのはあと3日
過ぎたらもう、一生会えないかもしれない

あぁ、それはいや、それだけはいや、絶対に

初めて私のことをわかってくれた人
怖がらずにいてくれた人
認めてくれた人

例えそれが人間ではなくても、私にとっては大切なヒト


窓側の席
左隣には、誰もいないはずの席
そこに座って、ゆるりと微笑む
窓の外では君が慌てたようにこちらを見つめている

ブシッ

動脈から、どんどんと血が流れて
一緒に私の命も流れてる

四階の窓の外から覗く君は幽霊
そして、今から私も幽霊になる

ずぅっといっしょ

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