夏の暑い日、ふと、あの子に目がいった
彼女は日向で遊んでいる私たちを羨むように
じっ、と見つめていた
日陰は、少し寒そうだった
一緒に遊ばない?
そう、声を掛けようとする
けれど口を開く前にそれは遮られてしまった
「一緒に、遊ぼうよ。」
ある男の子が彼女に言ったのだ
私が言う前に、私が言おうとしていた言葉を
言われた彼女は白い頬を
可哀想なくらい真っ赤にして
「うん。」
と、言った
、、、日陰に入りたくなった
貴方を想う、ということは
とても勇気がいると思う
だって、私達は友達で、
ずっとずっと近くにいて
そして、、、
貴方には私よりも好きな人がいる
一緒にいると胸がドキドキドキドキしてしまって、
それとともにじくじくズキズキと傷んできて
本当に、嫌だ
貴方を想い続ける自分が
貴方が好きな人を呪い続ける自分が
嗚呼、カミサマ
もしも願いが叶うなら、私に小さな勇気を下さい
あの人を諦めれるような、
小さな小さな勇気を
眼と眼が合って、一拍置いて
そこから何故か心臓がどくどくなって
そして、、、
「「 あの! 」」
ドッキュン!!!
不可解な音が流れたら、それはもう、
恋の始まり
こんなことで恋に落ちちゃうなんて、驚くね
「わぁ!」
ペラ…
ページをめくる
ペラ…
まためくる
終わって欲しくない
ずっと、続いていてほしい
だって、これを読み終わるまで
あなた達は生きているでしょう?
これを読み終わったら
あなた達はただの本になってしまうでしょう?
嫌よ。そんなの、絶対に嫌
けれど、めくってしまう
次々と
ペラ…ペラ…ペラ…
あーぁ。終わっちゃった
生きていますか?
生きていますか?
僕の知らない間に、死んでたり、なんかしませんか?
息をしていますか?
心臓はちゃんと動いていますか?
生きて、下さい
僕の知らない所ででも、どこでもいいです
生きてくれていたら十分です
まだ、その生命はあるでしょう?
日光に顔を向けて瞼を閉じると
オレンジ色に見えるでしょう?
死ぬまでしっかり生きて下さい