モンブラコン*

Open App
3/1/2023, 1:55:01 AM

 今日は、姉さん、テイちゃん(兄)、オレ(末っ子)
の姉弟三人で、街に来ました♪︎
 酒爺ちゃん家の洗濯機が壊れたので、テレビに出てた最新の洗濯機を買いに来たのです。
 オレ達の住んでる山村は、見た目田舎だけど、
家電が壊れる度に最先端の物に買い替えるので、
何気にハイスペック村(?)なのだ。
 テイちゃんが洗濯機の入った段ボール(大)を、
片手で持つモンスターギャグをかましている間に
オレが折り畳み式の台車を用意。
 姉さんは手続きカウンターに置いてある、
ご自由にどうぞカゴの飴を食べ尽くしてから、
テイちゃんの隣に走って来た。
 ずっと大人しいのが謎です。
 目的達成感に浸りながら、久しぶりの街の景色を楽しんでいたその時、静かだった姉さんが
テイちゃんの手を掴んで路地に突入しようとしたが、テイちゃんがその手を引っ張って、姉さんは
アーチを描いてテイちゃんに抱き抱えられた。
 190cmのテイちゃんに150cmの姉さんの、その
やり取りは、まるでヨーヨー技を見ている様。
 「都けぃの…ラブフぉ!……」
 テイちゃんが姉さんの口を体で塞いだ。
 この姉は、倫理的にやや問題がある…。
 「あ~ぶ~ほぉぉぉ~……」
 テイちゃんが駄目言うたら駄目なのです。
 大型を二つ抱えて帰ることになりました…。

2/28/2023, 1:40:58 AM

 もう何もかも嫌になって、山に入った。
…何日歩き続けたか、なんてどうでもいい、
…自分すらどうでもいいから。
 「いぁ~えがった!ぶせぇくだば!」
 「は?」…大木から、変な少女が目の前に
飛び降りて来た、いや子供じゃない。
 小柄だけどグラマーで、獣耳付けて、やたら
長い尻尾?が後ろでウネウネ動いてる。
…コスプレ?近くでイベントやってんのかな。
 「ぶせぇく大歓迎じゃび♪︎今日から村人
じゃび、難すいはなすばババぁに聞いてけろ」
 手を引っ張られるまま、連れていかれた、
そこには古風な山村があった。
 もしかして「あの世」に来たのかな…?
 「あぃ~♪︎ぶせぇくのわけもんは、わけもん
でがら、高齢化もんでぃのくぅせぃすだびぃ~」 この人(?)何言ってるか解んないけど、
なんか、腹立つ。何言ってるか解んないけど、
なんか、歓迎されてる気がする。
 「ババぁ!新入り来たじょ!ババぁ!」
 「うるせぇ!ボイン!」普通のお婆さんが、
平屋から勢い良く出て来て、この村のルール等、
丁寧に説明してくれた。
 私、ここに居よう、流されるまま、
  生きて(?)みよう………。

 ───「テイちゃぁんっオラ、新人勧誘すて
来たんびょ!ありは、えいずぅ決定じゃび♪︎」
 何かの匂いを感知して、すっ飛び出て行った
姉さんが、帰って来て兄(弟)に甘えている。
 一人で見に行ったということは…。
 「女の人だったの?」
 「そぅじゃび~、でもぶせぇくだから、
もんでぃなす!優良新人じゃば!!」
 ……今すぐ失礼をお詫びに行こう。

2/26/2023, 8:19:34 AM

 見ている世界は自分の内側を現す鏡だと、
誰かが言ってたな…。
 この空、憂鬱だ、校門に誰もいない、つまり
今日はテイちゃん(兄)のお迎えがない訳だ。
 姉さんだな、テイちゃん一人占めしてんな。
 いーさ、オレ男だもん、男には一人になりたい
時があるさ。ウソです無理です寂しがり屋です。
 「をぃ~クショボーズぅすたびれた面すてぃ」
 「姉さん…」が来た、珍しい。
 「もっつええ面せぇや、おめぇが
甲殻類食いてぇ言ぅたんけぃ」
 …甲殻類??あ!昨日テレビで海老天丼見て、良いなって、言ったわ!テイちゃんそれ聞いて…
 「え、まさかテイちゃん、海行ったの?」
 「じゃびゃ、あすのなげぃ甲殻類と、
おぬのような面すた甲殻類捕って来よた」
 タカアシガニと伊勢海老かな…。
 何だかこの空、よく見ると綺麗だ。

2/24/2023, 10:35:04 AM

 あの時、オレは土と後悔の中にいた。
 ──自分を本当に大事に思ってくれた
怪物を選ばなかったこと。
 なんで、何で、生きる方を選ばなかった?
ちがう、この身体、罰の方に勝手に動いてる。
 前世の因果ってやつ…あぁこんなこと考えるってことは、おわりが近いな、二歳児だぞオレ。
 良かった…オレが選ばなかった訳じゃない…
…オレは、あの、人間よりも人間らしい怪物の
そばにいたいんだ………。また会いたいな…。
 手を伸ばした、土から手だけ出してみた。
 ──手を掴んでくれた、笑っちゃう位、
都合の良い展開…心のどこかで予想出来てた。
 だって彼はそれくらい、
 信頼出来るように、大事に、
 安心出来るように、大切に、
 小さなオレに、
 接してくれていたから…。

2/24/2023, 1:47:14 AM

 姉さん、白飯にメロンシュガーを掛けるの、
やめて下さい。それは食パンをメロンパン風に
するものです。
 姉と兄(弟)とオレ(末っ子)の、どこにでもある
夕御飯風景(姉の偏食を除く)だけど、ここには
テイちゃん(兄)のLOVEがある。
 オレ達姉弟は何も食べなくても生きられる。
それでもテイちゃんは御飯を用意してくれる。
 オレの苦手な人参は細かくしてハンバーグに
混ぜて。例え残しても決して怒らない、次は更に
細かくして味付けに工夫までして出すだろう…。
 学校に通うオレが、他の子と感覚がズレない
よう、考えてくれているんだよね。
 テイちゃんは声を発することが出来ない、
でも、言葉以上のLOVEを、それ以外の方法で、
表してくれる。あまりにも自然過ぎて、
見逃しちゃいそうな程、たくさん…。
 姉さん、〆は御茶漬けのノリで、残った御飯に
いちごミルクをぶっかけるのやめて下さい。

Next