何もない、モノクロな世界に青年が一人
彼は何も考えず、ただそこに居るだけだった
時々寝転んだり、歩いてみたり…
でも、そこにあるのは虚無だけ
そんなある日、彼が歩いていると気がついたら知らない場所に居た
黒い森の中
彼は歩いていると奥に人影を見た
その人影は森の奥に向かっていた
「待って」
声を掛けるが、相手には聞こえてないようだ
少年は走って追いかける
人影に追いつく
それはフードを被った少年だった
少年に声を掛ける
「ねぇ、君はこの場所について何か知ってる?
迷ってしまって、出口を知ってたら教えてほしいな」
『…』
「あれ?聞いてる?」
『…@)?"!*Ε#』
フードの中を覗き込む
少年は虚ろな目で何かを呟いていたが、何を呟いていたかは大半が聞き取れなかった
だが、一つだけ聞き取れたことがあった
『…兄弟、ごめんもぅ戻れナイカモ』
青年はその少年が正気ではないことを理解し、一刻も早く森から抜け出せなければならないと考えた
その直後…
気がついたら元の世界に戻っていた
あれは一体何だったんだろう
そう思いながら眠りについた
永遠に存在し続けるものなんて無い
誰もが何かしらの形で終わりを迎える
思い出や記録は永遠に残り続けるってよく言うけど、僕はそう思わない
時が経てば、色褪せてそれが何だったのかわからなくなる
例えば、誰かと遊びに行った思い出があったとしても、その遊んだ内容は日が経つにつれて、ぼやけてくる
頭の中でその出来事が書き換えられたり、思い出せなくなったり…
歴史も語り継がれてはいるけど、それが本当に正確なものかは分からない
いつかは全部忘れられる
嫌なことも、楽しかったことも、何もかも…
森の中で1羽の鳥は涙を流していました
鳥自身も、何故涙を流しているか分かりません
ですが、いくら待っても涙は止まることなく流れ続けています
そこに、一人の人間が近付きます
「どうして君は泣いているの?」
『分からないんだ…。でも…ずっと前から、こんなのだった気がするよ』
「そうなんだね」
『それはそうと、君はなんでこんな所にいるの?』
「え?」
『ここは危ないよ。怪物が現れるんだ』
「そうなんだね。でも、僕はまだ帰れない。」
『何か探し物?』
「兄さんを探してるんだ。この森に入ったって話を聞いて、ここに来たんだ」
『見つかるといいね』
人間は鳥の元を去りました
『…彼等が怪物に襲われないといいけど』
鳥は今も止まることのない涙を流しながらそこに居ます
今日も仕事が終わらない
そう思いながら、時刻は午後10時、部屋でパソコンに資料を打ち込み、仕事の間に淹れたコーヒーを飲む
朝から晩までずっと働き詰めだったけど、これを乗り切ったら休みが来る
そう思ってたけど…
メールで追加の仕事を渡され、また休みが潰れるのか…
と、思いながら資料作り
しばらく経って、再びコーヒーを飲む
淹れたての方が美味しかった…
中途半端に冷たいコーヒーを飲みながら仕事を続ける
こんな感じに毎日同じ事を繰り返してるよね
必ず同じとは言えないけど、似たようなことを繰り返して、あんまり面白くはないと思うんだよね
でも、その「同じこと」をやらないと生活できないから仕方ないよね
朝起きて、ご飯食べて、仕事して、昼ご飯食べて、また仕事して、晩ご飯食べて、仕事と明日の準備して、寝る
次の日にはまたこれを繰り返す
中にはもっと忙しい人もいるかもしれないし、逆に暇を持て余してる人もいるかもしれない
でも、暇を持て余してる人の中には、働きたくても働けない人もいるかもしれない
社会は難しいことばっかりだね…
礼儀とか、人間関係とか、いろんなことに気を使わないといけないから
もしパラレルワールドが存在するなら、どんな世界を想像する?
今より充実した世界になってるか、逆に今より悪い世界になってるか
さらには性別も性格も環境も全部真逆になってたり…
考え出したらきりがないけど、どれもある意味面白そうではあるよね
僕は、パラレルワールドというより他の世界っていう括りでロボトミーコーポレーションっていうゲームの世界に行きたいなって思うよ
そこでアブノーマリティっていう怪物みたいな存在になりたい
彼等は本能のままに生きることができるから
それか、原神の世界で色んな国を気ままに冒険したいな
どっちの世界も過酷ではあるけどね