月影若葉

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森の中で1羽の鳥は涙を流していました
鳥自身も、何故涙を流しているか分かりません
ですが、いくら待っても涙は止まることなく流れ続けています
そこに、一人の人間が近付きます
「どうして君は泣いているの?」
『分からないんだ…。でも…ずっと前から、こんなのだった気がするよ』
「そうなんだね」
『それはそうと、君はなんでこんな所にいるの?』
「え?」
『ここは危ないよ。怪物が現れるんだ』
「そうなんだね。でも、僕はまだ帰れない。」
『何か探し物?』
「兄さんを探してるんだ。この森に入ったって話を聞いて、ここに来たんだ」
『見つかるといいね』
人間は鳥の元を去りました
『…彼等が怪物に襲われないといいけど』
鳥は今も止まることのない涙を流しながらそこに居ます

9/28/2025, 12:41:43 AM