月影若葉

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何もない、モノクロな世界に青年が一人
彼は何も考えず、ただそこに居るだけだった
時々寝転んだり、歩いてみたり…
でも、そこにあるのは虚無だけ
そんなある日、彼が歩いていると気がついたら知らない場所に居た

黒い森の中
彼は歩いていると奥に人影を見た
その人影は森の奥に向かっていた
「待って」
声を掛けるが、相手には聞こえてないようだ
少年は走って追いかける
人影に追いつく
それはフードを被った少年だった
少年に声を掛ける
「ねぇ、君はこの場所について何か知ってる?
迷ってしまって、出口を知ってたら教えてほしいな」
『…』
「あれ?聞いてる?」
『…@)?"!*Ε#』
フードの中を覗き込む
少年は虚ろな目で何かを呟いていたが、何を呟いていたかは大半が聞き取れなかった
だが、一つだけ聞き取れたことがあった
『…兄弟、ごめんもぅ戻れナイカモ』
青年はその少年が正気ではないことを理解し、一刻も早く森から抜け出せなければならないと考えた
その直後…

気がついたら元の世界に戻っていた
あれは一体何だったんだろう
そう思いながら眠りについた

9/29/2025, 10:37:46 AM