羊と猫の冒険

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6/27/2023, 3:33:43 PM

ここではないどこか


ココではないドコかに興味はない
言うなればココにしか興味はない
ココが私の、安定の居場所であり
守るべき所
自宅の自室の自分の硬いベッドで
寝転がりながら、片肘つきながら
再認識する

6/26/2023, 11:07:08 AM

君と最後に会った日


私が高校2年生のとき、小さな黒猫
が数日だけ姿を見せたことがあった。
我が家は団地の2階だったが、玄関
ドア横の階段を数段上がったところ
に、いつもちょこんと座っていた。
出掛ける時はいないのに、帰ってき
た時だけ何故か見かけた。
玄関を開ける度に中に入ろうとする
ので、『ごめんね。中には入れない
よ』と声をかけてドアを閉めていた。
そんなやり取りを数日繰り返してい
たある日、私の両足の間を八の字に
身体を擦り寄せてきたので、『おば
あちゃん?』と声をかけると、私を
見上げてから階段を降りていった。
少し前に亡くなったおばあちゃんだ
と思い、とても嬉しかった。
その日以来、ぱたりと見なくなった
が、あの可愛い黒猫を今でも覚えて
いる。

6/22/2023, 1:41:26 PM

日常

繰り返される何気ない日々を
日常というならば、
日常とは究極の幸せだろう。
繰り返される不安定な日々を
日常というならば、
日常とはあまりに辛いものだ。
朝が来て昼を過ごし、夜を迎える。
また朝が来ることを受け入れる私は
幸せなのだろう。

6/19/2023, 2:31:00 PM

相合傘

面倒くさいから一本でいいやと
娘と一つの傘にはいる。
娘が濡れないように傾けると、
『真ん中でいい』と戻される。
半分こするケーキも、大きい方
をあげようとすると、ちょうど
半分に削ぎ落として均等にする。
真ん中で同じにしたいらしい。
そんなこんなで仲良しこよし。


6/15/2023, 11:26:42 AM

好きな本


16歳になる娘のお小遣いは、中学生
のころから変わらず千円だ。
超インドア派の娘は、滅多に遊びに
出掛けない。たまに遊びに行くとき
や服などの必需品は、別でお金を渡
している。
千円のお小遣いは、ほぼ好きな本代
(フィクション小説) に消える。電子
書籍や図書館で借りることはせず、
好きな本を購入して手元に置き、自
分の本棚に並べることに幸せを感じ
るそうだ。
ときどき全部で何冊あるかを数えて
は、満面の笑みをうかべている。
お小遣いの金額も、千円のままで良
いと娘が言った。何かと自分を持っ
ている娘がおもしろく、愛おしい。


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