shiro

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11/8/2024, 5:06:34 PM


薄く柔らかな雨が零れ落ち、音色がしみ込む。

まるで絹糸の涙のように優しく頬を濡した。

ふわふわとした柔和に包まれ、暖かさに身を委ねる、と


憤りを感じるほどの濃い音が、荒々しく響いた。

雨は確かに穏やかな表情を見せてくれているのに。

なぜか、心に素手で触れているような

そんな名もない複雑さが鼓膜を揺らしている。


この雨に、意味を見いだしてしまった私

きっと他の誰にも、代わりなんてできない。


あなたなら、傘をさしてしまうのかなあ。


¦意味がないこと¦

11/7/2024, 5:01:50 PM


はっきりとした境界線が溶けて、滲んで、流れ込む。

曖昧さを孕んだ霧が すうっと彩りを灯し

刹那、姿をくらました。


一体どんな違いがあるというのか。

あなたと、わたしの間に。

ああ、きっと全て違うのですよね。

でもたぶん、全て同じなのです。


そう、きっとね

愛おしいほどの灰色が、切ないほど満ちている。

それで、いいのだと思う。

¦あなたとわたし¦

11/3/2024, 5:24:57 PM


ふわり、斜陽に洗われたような綻びが零れている。

重苦しい苦味が、底に滲んでぼやけている。

そしてどちらも重なって透け合った。

ああ、そうか

その虚空には抽象の自分が満ちているのだ。

いつだって映し出されているのは

他でもない自分だなんて

皮肉なまでに、幸福だ。

揺蕩う不透明が心を濡らし、豁然と淡く広がる。

ほらね、また

朝霧が散るように表情が変わった。そんな気がした。

¦鏡の中の自分¦

11/2/2024, 3:51:36 PM


静寂が微睡みを包み込んで溶けていく。

優しく包んでくれる夜も、暗闇で覆い隠される夜も。

少しだけ寂しい夜にだって静寂は等しく傍にいる。

だから、やっぱりね

眠りにつく前くらい自分に優しくあれたらなあって。

不安や悲しみも、温もりで解いてあげれば

きっと儚い心地良さが私に寄り添ってくれる。

暖かさで飽和した静寂に身を委ね、瞼を閉じれば

夢のような曖昧さが、明日を彩るのだと思う。


¦眠りにつく前に¦