やなまか

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1/12/2024, 12:57:17 PM

冷たい石畳の床だった。鉄格子の間隔は広いがいくつも扉があり、果てしなく広い塔だった。
外は朝なのか夕方なのか。薄曇りの凍える空だ。
「誰も来ぬよ」
フロックコートの男は言った。緩く波のかかった髪に長い耳に赤い瞳だった。
「国のものも騎士も軍も」
恐ろしいか。嘆くがいいと笑う。

女はもう失うものは無かった。
「仲間も部下ももう居ないわ」
男の眉がぴくりと動く。だがそれだけだった。
「…精神を病んだものはつまらない。抵抗しろ。そのほうが好みだそうだ。入れ」
大きな怪物が2体牢屋に入ってきた。
「殺すなよ」
コートの男は去っていく。
怪物2体と、仲良くお茶会でもさせようというのか。

1/12/2024, 6:22:05 AM

部屋はまだ寒い。
彼女が作ったスープのマグを包んでため息を吐く。すごくすこく温かかったんだ。
「インスタントだよ?」
いいのいいの。
「特価の218円のやつだよ?」
いいんです。
お湯沸かして注いでくるくるして出してくれただけ貴方は神様なんですよ!!

1/10/2024, 11:24:53 AM

いじめを受け続け人間不信になりますみす暗くなり人を寄せ付けない子供時代だった。中学もいかない当然高校も中退。
成人式もいかない。

周りに合わせなくていいのだよ。

友達もいらない。生きているだけでえらい。大人とかは年月が経てばいやでもなるけど、中身は追いつかない。

あのとき助けてくれれば。
なんで誰も助けてくれなかったの?

この気持ちのまま大人になるようだ。
怖くない?
引きこもって30にもなってこの思考の人がいるんだよ。外に出なくてもいいよ。でも中身を育てような。

1/9/2024, 4:41:33 PM

腰を寄せられ唇が塞がれた。少し離れて角度が変わりチュッと音がする。
いたわるように優しい。彼の香りに覆われる。吐息を感じてまたキスをした。少しずつ強くなる腕に私も首に縋り付く。
「どこで覚えたのよ…」
悔し紛れに言うと、今度はこちらからキスしてやった。

1/8/2024, 5:46:04 PM

長く一緒にいると、彼女はよく笑うなと思ったのだ。少し彼女を観察していて表情を見ていた。見知らぬ人にも目線を合わせてほどほどの距離で話す。冷たくは映らない。

人の話を良く聞き自分の考えはあまり言わない。

人当たりがいいねと言ったら。
多く興味を持つことがゆとりを生むそうだ。自分には出来そうにない。
彼女といると許されている気がする。好きだと思ったし、何も話せない自分も悪くない気がしてくるよ。


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