たまき

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5/10/2023, 3:18:08 PM

#14 モンシロチョウ


「あ、モンシロチョウ」

「うん?あぁ…あれは多分モンキチョウだよ」

「え、なんで。白いけど」

「モンキチョウのメスは白いやつもいるの。よく見るとてんてんが違う」

「ふぅん…なんで知ってるの、好きなの」

「前に気になって調べただけ。見た目は似てるけど、食べ物も違って、全く別の種類だった。ちなみに好きではない。あいつらフラっと寄ってきて怖い」

「人間は色々いても同じ種類なのに、蝶はそうじゃないのか」

「らしいよ」


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実際気になってたけどスルーしてた疑問を、
いい機会だと思って調べました。

モンシロチョウはキャベツ畑にいて、
モンキチョウはシロツメクサのところにいます。

もっと色気のある話にしたかったのに、
この後、沼が深くて出てこれなくなりました。


地球上には、もの凄くたくさんの種類の生き物がいます。特に虫は種類が多いみたいですね。

その中で、
生き物を種類ごとに分類しているのは人間だけ。
そして人間はホモ・サピエンスしか種類がない。
そう思うと、面白みを感じられる気がします。

5/9/2023, 2:17:40 PM

#13 忘れられない、いつまでも。


私の大事な、お姉ちゃん。
お互い結婚もして。
子供同士も仲良しで、天使みたい。

とても良く似た姉妹だねって言われるけど、ちゃんと違うところもある。
お姉ちゃんは私よりずっと優しいんだ。
そこがすごく好き。

結婚したって、ずっと私のお姉ちゃん。

だけど、ね。

その優しさにつけ込んでくる奴がいるんだ。
初めて顔を合わせた時から、「ふつうに良い人」に見えるのに、なんか嫌だなって思って。
だから、気をつけた方がいいって伝えたけど、やっぱりお姉ちゃんには、大丈夫だからって言われて。そうだよね。

その人とはズルズル続いてるみたい。
お姉ちゃん、最初は聞いて聞いてって来てくれてたのに、話もしてくれなくなっちゃった。
私、少し寂しい。私の旦那様だって一番大好きだけど、お姉ちゃんはお姉ちゃんだもん。

何回も、離れた方がいいって言っちゃったせいかな。そりゃ、ヤキモチもあるかもだけど…。

お母さんは、お姉ちゃんも大人なんだから干渉しすぎるのは良くないって言う。確かに、お姉ちゃんは私より、ずっとステキな大人だけど。


すごく、すっごく悩んだけど、
私怒ってるんだよ!って二人まとめて話しちゃおうかな。

そしたら、私のこと忘れないでいてくれるかな?
私のこと、好きだよね?お姉ちゃん。



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「私が」忘れられないことか、「私を」忘れられないようにするかで悩んだ結果。

打算だらけで生きている身としては羨ましい気が…やっぱりしないかも。

ところで、相手を認める言葉に「でも」と続けてしまうと、否定的な気持ちが強調されますよね。
なので、順番を逆にするように心がけています。
…まあ、無理な時もある。人間だもの。

5/8/2023, 3:50:23 PM

#12 一年後


1年。
約52週で、365日で、8760時間で、525600分。

私の一年後、
あなたの一年後。


あなたは、どうかしら。
不安に感じるなんて変よね。
未来のことなんて、見えなくて当然なのに。


私は変わらずここで
きれいな水を用意しておくから。

いつでも、この枝に止まりに来て頂戴。
すてきな囀りをまた聞きたいわ。


約束は、
叶わぬ夢への誓いにも似て。

未来が見えないからこそ願うのだ。

5/7/2023, 2:49:11 PM

#11 初恋の日


私の初恋は、近所に住んでいたおにいちゃん。

小さすぎて切っ掛けも覚えていない。
だけど歳上で優しくてカッコいい、となれば。
惹かれるのは必然だっただろう。
その後、彼が引っ越して私の恋心は鎮火していった。

バレンタインやホワイトデーのやり取り、
海で遊んだり、ませた告白をしてみたり…
今となっては懐かし恥ずかしの思い出である。


ところで恋愛をしているとき、
脳内では種々のホルモンが分泌されている。
それが相手の言動による一喜一憂など、特徴的な感情に繋がるのであるが。

当時の私にホルモン分泌があったかどうか。
あって欲しいなと思うのは一種の感傷であろう。


話は逸れるが、心の性別決定は胎児自身の男性ホルモンによると言う記事を見つけた。
脳の一部に違いが出るんだとか。
とはいえ心の向きは、ずっと後の本人に委ねられることである。

心も脳内も肉眼では見えない。
年齢や性別に囚われず、恋心は尊重したいものだ。

5/6/2023, 12:47:48 PM

#10 明日世界がなくなるとしたら、何を願おう。


「それなんてノストラダムスよ、やめてよ」

「いやいや、まあまあ、考えてみてよ」

「絶対いや。あんた全身麻酔受けたことないからそんな事言えるのよ。あれ凄く怖いんだから」

「確かに無いけど。そんなに?」

「周りがわーわーやってる中で知らない天井見ながら意識が遠のいていくのよ。あんなの、成功率とか関係なし。せめて、あんたの顔でも見れればマシだけど居ないし。おかげで涙出たわよ」

「そ、そうか…えっと、プリン食べる?」


プリンで機嫌が取れたかどうかはさておき、

世界ー今回は世界そのものとしておく-が無くなるということは、
全ての営みが無に帰すということだ。

将来に向けた努力も、
守りたい誰かも、すべて、全て。
なんて刹那的で暴力的な前提条件だろうか。


その上で何を願うか?
まずその世界がなくなるところを何とかして欲しいところだが、抗う術はないのだろう。

最後にやりたいことを、と言ったところで
欲望に際限がないのが人間なので、
終わりを歓迎するにしろ厭うにしろ、
その瞬間には、もっと欲しいと願うはずである。

終わりに満足できるのは、真に満たされ受け入れたものだけなのだ。

ならばいっそ何も知らず、苦しまず、
ただいつも通りに眠りにつきたい。

そうすれば、
無力感にも絶望にも苛まれることがないのだから。

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