僕は、いつもの店でサンドイッチを食べていた。
涼しい風に、程よい日光。これほど最高なシチュエーションはないだろう。
すると1人の男が、教科書を開いて必死に問題を解いている。
彼は、僕の親友だ。
「なんで君は、高校受験の勉強なんかしているんだい?」
僕は尋ねる。
「僕たちはもう高校生だ。受験勉強なんかする必要ないじゃないか」
僕は続けて尋ねた。すると、親友は口を開く。
「懐かしいな」
その時、周りの景色は闇に飲まれた。サンドイッチ、いつもの店、親友までも。
それと同時に、僕は思い出していた。
中学3年の時の努力。悩み、葛藤。
「懐かしいね」
僕は目を覚ました。相変わらず真っ白な部屋だ。
さて、君はそろそろ、高校へ行く時間かな
君のせいで、努力が無駄になった時のことを思い出したよ。
なんてね
窓から見える景色はとても美しかった。
でも、その見えた場所へ行くと美しくはなかった。
遠くから見る。近くから見る。
違うのは、当たり前か笑
君だってそうだろ?
香水。
いい匂いになるよな。
でも、臭いやつもあるぜ。
臭いってなんだよ。なわけないだろ
匂いが強すぎて、嫌な奴もあんだよ
ん〜そんなことがあんのか..
まぁ何事もほどほどにってことだな、
何、かっこいいこと言ってんだよ
でもそうだろ?
まぁ..たしかにな
でも、お前はもっと頑張った方がいいわ
うるせぇよ。お前もだろ。
...ふっはははは
なんか、匂いが強い香水が生まれた理由がわかった気がする
はははははは
「んじゃ、またな!」
彼は見れば見ると辛くなる笑顔を私に、向けてきた。
そんな笑顔で私を見ないでよ。私は泣いてるんだから。
なんでそんな顔してるの?ひどいよ。もっと悲しんでよ。
「今度はいつ会えるの?」
「ん〜。大学が休みの日に帰りたいけど、遠いからなぁ」
「すぐに来て」
「はいはい。りょーかい」
彼は、電車に乗ろうとする瞬間。「あっそうだ」と振り向き。「お土産、何が欲しい?」
お土産なんかいらないよ。私は..
私は..
「あ、そうだ」
「何?」
「愛してるぜ」
それなら、ずっとそばにいてよ。
言葉なんかいらないからさ
そうだな。お土産は........
なんでもいいかな。
彼はきっと、やるせない気持ちになったことがないだろう。
何事に対しても無気力で、これといった努力もしてこなかったからだ。
私は彼が、心配だった。だから、極力そばにいれるようにしていた。
無気力な、彼を見てると私まで、やる気が無くなる。いや、何に対しても楽観的な気持ちになれるのだ。
だから、久しぶりに彼と会った時、たくさんの人に囲まれている彼を見て、私は、複雑な気分になった。
私は、邪魔だったのかな?
やるせない気持ちになったのは、私だった。