林の影に隠れて”さらさら”と流れる水の音。
山の方から聞こえてくる、”けーんけーん”というキジの鳴き声。
田んぼの水面に、空からやってきた雨が波紋を描く。
“ぽつぽつ”が、やがて、”ざあざあ”になるのといっしょに、傘が奏でる音は、”ぽたっぽたっ”から、”ばたばたばた”になる。
わたしの足音も”てくてく”から”たったったっ”になる。
やがて雨が止み、”ぱあっ”と太陽が顔を出す。
眩しくて太陽から目を背けようとしたとき、そこに”どんっ”と虹があることに気がつく。
空のキャンパスに”こっくり”と七色の虹のきれいな曲線が描かれていた。
なんだかうれしい気持ちになって、”タタンッタタンッ”とスキップをしながらうちへ帰った。
______________________________さらさら_________。
わたしの人生の最後はどうなっているだろうか?
全てがパズルのピースみたいに、うまくはまることはないだろう。
しかし、今わたしの目の前にいるキミが、笑っているのは、わたしがパズルのピースを少しずつだけど確実にはめていっているからだと、勝手に解釈してみる。
最後があれば最初がある。
最後は最初を思い出す。
思い出したときに笑顔になったら、最後もきっと笑顔だ。
_____________________________これで最後_______ 。
それはそれはたくさんある名前のなかの一つ。
懐かしい響きが、わたしを包み込む。
名前がわたしでわたしが名前。
ちぐはぐな世界で、今日も明日も君の名前を呼ぶ。
____君の名前を呼んだ日_________________________。
雨が降ってきて傘をさす。
横殴りの雨に打たれて、ズボンの裾がぐっしょりと濡れる。濡れた部分が足首に当たって、ひんやりと冷たい。
雨にうんざりする。
雨はザーザー降ってきたと思えば、ふとした瞬間に止む。しばらくしてまたしとしとと降りはじめる。
コロコロと変わり続ける気まぐれな天気。
雨が自分にとって悲しくて辛い出来事を表すとしたらどうだろう。
雨が降って、傘をさす。傘をさしても完全に雨を避けることはできない。その雨に濡れた部分はなかなか乾かない。
天気は、人生そのものみたいだ。
悲しいことや辛いことが突然降りかかってきては、深い爪痕をこころに残していく。
その爪痕を、少しずつわかりにくくしていくことが大切なんだと思う。雨に濡れたズボンを少しずつ乾かしていくように。
_________________________やさしい雨音__________。
これまで歩いて来られたのは、その時々にわたしのこころに寄り添って一緒に歩いてくれた”歌”があったからだといっても過言ではない。
“歌”は振り返ればいつも隣にいた。
自分が情けなくて、消えてしまいそうなときも、ただそこにいてくれた。
自分のために作られた歌かと勘違いしそうなくらい、”歌”の主人公に自分を重ねたときもあった。
“歌”はいつしかわたしの一部になっていた。
”歌”がある世界でよかった。
今にも歌いだしそうになるくらい、”歌”のメロディが次々浮かぶ世界で。
_________________________________歌____________。