桜のはなびらが散っていく。
桜のはなびらは、桜の木から離れたあと、地面に吸い寄せられるように落ちていく。
けれど、少しでも長く空中にいれるように、ほんの少しの間、春風に乗って旅をする。
線香花火が光り輝く時間よりも、もっと短い時間のはなびらたちだけど、その情景は、線香花火の輝きと並ぶくらい、美しくて、儚い。
特に、雨がしとしと降る日、空は曇っていて、風も少し強く吹いていて、桜を見にきている人々もまばらなとき、桜のはなびらがゆっくり桜の木の枝から遠ざかっていく様子はなんともいえない、美しさと儚さがある。
しとしと降る雨が、土を潤し、草木を育て、恵みをもたらしている。その一方で、はなびらは桜の木から巣立っていき、大地の一部になっていく。
はなびら、ひとひら、ひらひら、だいちへ。
自然のなかで、生命は循環していく。
________________________________ひとひら_______。
空をみていた。
空はゆっくり移り変わる。
空は瞬間毎に移り変わる。
ゆっくりで変わっていないようにみえるけれど、瞬間毎に変わり続けている。
風景は全部そうだ。
なんでも変わり続けている。
空みたいにゆっくりした速さのものもあるし、流れ星みたいに瞬きしたらみれない速さのものもある。
この世のすべては常に変化して、ほんのしばらくであってもとどまるものはない。
わたし自身も、なにも変わってないように思うんだけど、変わり続けているんだね。
急に全ては変わらない。
一つを手放して一つを掴んで。
今この瞬間も。
__________________________________風景_________。
僕のなかの君と、君のなかの君は、どれくらい同じで、どれくらい違うんだろう。
君がいくら言語化が上手にできて、君が秘めていた思いを僕に話してくれたとしても、君のことすべては、わからないだろう。同じように、君も僕のことすべては、わからないだろう。
それは、どれだけ僕と君がお互いを想い合っていてもだ。
僕の辛くて苦しくて悲しい話を君がきいてくれたとき、僕の想いを受け止めてくれている気がして、安心した気持ちになるんだよ。
でもね、細かくて申し訳ないんだけど、『わかるよ』と言うのはやめてほしいんだ。
君のなかの僕と、僕のなかの僕が、全く同じことはないから。
だからね、『わかるよ』ではなくて、『伝わったよ』がいいんだ。僕の気持ちが君のこころに届いたとわかっただけで、僕は少し安心した気持ちになれるから。
僕も君も、孤独のなかにいる。手を伸ばせばお互いの手に触れることができるけど、それ以上触れることはできないんだね。
だからなのかな、すべてをわかることはないんだけど、僕のことをわかろうと、話をきいてくれる君の姿をみていたら、なんだかじんわりとあったかい気持ちになる。
わからないこそ、伝わることもあるんだね。
このじんわりとあったかい気持ちを、大切にしていきたい。
______________________________________________君と僕___________________________________________。
夢みたことが現実になる。それは、人生のなかの素晴らしいできごとの一つだ。
夢が叶うときがあれば、夢が叶わないときもある。がんばっても報われないときもある。
夢やぶれて、打ちのめされるときが。
今まで、夢を叶えるためにがんばってきたけれど、そのがんばりはなんだったのか?
落ち込んだり、行き場のない怒りが湧いてきたりする。
夢やぶれたときは、思いっきり落ち込むことがポイントだ。思いっきり落ち込んだら、ある日落ち込むことに満足できたと感じるときが来る。
そして、行き場のない怒りは、新たな夢を描くときの原動力にしていく。
新たな夢に向かって歩くとき、またうまくいかないんじゃないかと不安になる。そして、不安になる自分を臆病だと思う。
だけど、不安になるのは当たり前のことだ。不安を抱えながら、”自分の信念のような強い想い”を決して手放さずに歩いていく。
歩いていくなかで、また打ちのめされることもある。夢やぶれるときが。しかし、一度経験した分、回復力は少しばかり身についている。きっとまた歩き出すことができる。
そして、いつか描いた夢が叶うときはきっと来る。たとえそれが”今の自分の夢”ではなかったとしても、夢が叶うことには違いない。
_______________________________夢へ!__________。
ときどき、家族や友達から『元気?』とメッセージが来る。
ちょっと風邪気味でも、『元気!』と返す。
そして、わたしも友達に『元気?』ときく。
『元気元気!』と返ってくる。
わたしのことを気にかけてくれているとわかって、うれしい気持ちになる。
遠く離れていても、空間をも超えて、わたしのこころに寄り添ってくれている気がする。
想いが言葉になって、その言葉がキャッチボールされて、言葉がこころに届いて、じんわりとこころのずっと奥の方までゆっくりと溶けていく。
そして、わたしの”こころ強い”お守りとなる。このお守りがあれば、きっと大丈夫。
たくさんの養分が溶けていったこころから、小さな勇気の芽が顔を出していた。
______________________________元気かな_________。