桜のはなびらが散っていく。
桜のはなびらは、桜の木から離れたあと、地面に吸い寄せられるように落ちていく。
けれど、少しでも長く空中にいれるように、ほんの少しの間、春風に乗って旅をする。
線香花火が光り輝く時間よりも、もっと短い時間のはなびらたちだけど、その情景は、線香花火の輝きと並ぶくらい、美しくて、儚い。
特に、雨がしとしと降る日、空は曇っていて、風も少し強く吹いていて、桜を見にきている人々もまばらなとき、桜のはなびらがゆっくり桜の木の枝から遠ざかっていく様子はなんともいえない、美しさと儚さがある。
しとしと降る雨が、土を潤し、草木を育て、恵みをもたらしている。その一方で、はなびらは桜の木から巣立っていき、大地の一部になっていく。
はなびら、ひとひら、ひらひら、だいちへ。
自然のなかで、生命は循環していく。
________________________________ひとひら_______。
4/13/2025, 3:51:45 PM