12/6/2023, 3:05:35 AM
『眠れないほど』
呼び止める声は聞こえるがこの脚を止める枷にはなってくれない。扉を開けるごとにあたたかな寝床は遠ざかり寒風の吹く冬の夜へと近づいていく。空にはきらめくオリオン。さえざえとした空気が星をふるわせ光を瞬かせる。靴も履けず外套さえ身につけられず、私はあらがうすべもなく姿の見えぬ誘いに踊らされている。
12/5/2023, 3:25:50 AM
『夢と現実』
そろそろと訪れる夜明けは夢のその身を端からくずおれさせていく。夢は夜明けに食われることを当たり前のように受け入れて、いやむしろうれしそうでさえある。
「終わりの見えぬ私など、この世にあっていいはずはない」
一夜のまぼろしは一夜であるからこそなのだ。