わをん

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『眠れないほど』

呼び止める声は聞こえるがこの脚を止める枷にはなってくれない。扉を開けるごとにあたたかな寝床は遠ざかり寒風の吹く冬の夜へと近づいていく。空にはきらめくオリオン。さえざえとした空気が星をふるわせ光を瞬かせる。靴も履けず外套さえ身につけられず、私はあらがうすべもなく姿の見えぬ誘いに踊らされている。

12/6/2023, 3:05:35 AM