君と出逢って、愛を知った。
ありきたりなラブソングみたいな話だけど、
君と出逢っていつしか君のことを好きになった。
好きになったわけを聞かれても答えられないけど、
君の好きなところは世界が終わるまで喋れそうだ。
そして、数えきれないほど
ご飯を食べて、しょうもないことで笑って、
好きな歌を一緒に聴いて、
好きな映画を一緒に見て、
理由なんて忘れてしまうくらいしょうもないことで喧嘩して、
雨が降った日はわざわざ散歩してお互い肩が濡れてた。
そんな日々で愛が積もり積もっていつも口からこぼれ落ちて、
いつも愛を確かめ合ってた。
君と出逢って、狂おしいほどの愛を知ったよ。
耳を澄ますと君の声が聞こえる。
学校の休み時間みんなが話している。
笑い声、何かを落とした音、音がいくつも聞こえる。
でも、耳を澄ますといつも君の声を見つけてしまう。
友達と楽しそうに話している君の声、授業中に音読している君の声、君の笑い声、どれも聞くだけで胸が痒くなって、締め付けられるような、鷲掴みされたような、
その感覚も、もちろん君も大好きだった。
耳を澄ますだけで君の声を見つけられるほど君の声を聞いた。
だからもう一度聞かしてよ。
なんて君のお墓の前で水を墓石にかけながら思う。
耳を澄ましても、もう君の声は聞こえないのに。
女の子は二人だけの秘密がすき。
世界、宇宙、銀河系、どこまでいっても知ってるのは二人だけ。
友達に聞いても、家族に聞いても、バスの運転手に聞いても、大統領に聞いても、ましてや宇宙人に聞いても、だれもわかりゃしな
いの。
その秘密を二人で話しているときは世界にたった二人だけみたい
世界に二人だけっておもうだけで愛が溢れて胸が痒くなるような、くるおしいほど愛せるような、
そして、二人だけの秘密を話し合える人と
女の子は老いぼれるまで笑ってたいの。
優しさだけできっと生きていけるそう思ってたのはいつまでだっただろうか。
友達にも家族にも先輩にも電車で会った人ではさえにもやさしくしていた。
見返りを求めず、これが自分の生きる方法だ、と信じて疑わなかった。
高校最後の紅葉を見た頃だった。
好きな人ができた。
好きになった理由は忘れてしまうぐらいにしょうもなかった。
けれども好きなところはいくらでも言えた。
その人とは同じクラスで、隣の席で、友達の友達で毎日少し話すほどだった。
勇気を振り絞って聞いた連絡先に、その勇気を超える勇気を振り絞りメッセージを送ってみた。
通知が来るのが怖くてマナーモードにしてしまうくらいには恋焦がれていた。
からかえるぐらいの仲になった頃、友達からその人に彼女ができたことを知らされた。
恋はあっけなく散ってしまった。
そのままやけになって、どうせ振られるんだから、いつかは積もり積もって溢れてどうせ口から出てしまうこの気持ちをあなたに伝えてしまおう。とどうしてか思ってしまった。
勢いのまま想いを伝えた。
そうするとその人は、困ったように笑い
「お前って誰にでも優しいからさ。」
と言われた。
そのとき心の中のなにかがパリンと割れた音がした。
ああ、そうか、物心ついた時から信じていたものは間違っていたと。
だから優しさだけできっとなんて思わない。
恋をすると世界が色づく、カラフルに見えるというがそれは本当なのか?
いつも疑問に思っていた。
だけれども、それをひどく納得した日があった。
それはピアノのコンサートに行った日だった。
プログラムを見ながら少し眠たくなっていた頃だった。
それは突然私の耳を通り脳を貫いた。突然私の世界が色づいた。
さきほどまでモノクロだった世界がその瞬間どうだろうか、パッと鮮やかになってしまった。その人のピアノは感情が乗せられてそれでも軽やかでその人の世界に浸ってしまうほどだった。
拍手の音が聞こえて急に引き戻された。
だがその拍手もまた、素晴らしいと鳴っていた。
まだ聞きたい、まだ聴いていたい、終わってほしくない。そう思うと同時に私はあの人が立っている場所に立ってみたいと思った。
私が心を奪われたように、誰かの心を奪いたい。
きっと私がこの人を忘れないように、誰かの心に残りたい、とそう思った。
その日私はピアノ、ピアノが奏でる音色、演奏者が奏でる思いに恋をした。
ああこれが世間様が言っているカラフルか、と。そう思った
これは私が15歳の夏。
25歳になった私はその恋した場所に立っていた。
私が恋したあの場所に。
血を吐くほどの練習はどうしても辛かった。
それでも、あの観客の感情を乗せた拍手、観客の心に残った、私の感情を乗せた音色が観客の心に刻まれた。という感覚を忘れられるわけがなかった。
どうしようもないくらいにその場所に恋をしていた。
私はこの先もずっとピアニストを続けるのだろう。そしてこの場所に恋し、感情の表現をやめないだろう。
恋というのはある種呪いなのかもしれない。
だけどその呪いさえも私の一部として愛そう。
そう思えるくらいにはここが心地よかった。
私の世界はあの日からずっと色づいてカラフルだ。