― カレンダー ―
6月からめくられていないカレンダー。
もう梅雨どころか秋がはじまっているのに
私の部屋には
紫陽花の造花が置かれている。
いいよね、
好きな季節で止めて置いても。
私の部屋に四季はない。
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いつもありがとう
ー喪失感ー
僕は、この階段を登り続けている。
最上階は見えない。見たくもない。
この階段を登り始めた頃は
この先に続く景色への期待に
心はオレンジ色で満たされていた
階段が急になり始めた頃だろうか、
僕の心の色は失われていった。
心には小さな穴が空いていた。
何かが足りないという喪失感にとらわれる。
視線を落としながらも登る。
踊り場に足をのせたときだった。
誰かの足が視界に入った。
顔をあげたその瞬間、
君と目が合った瞬間、
僕の心は一瞬で
熱くなって、
知らない色で満たされていくのを感じた。
そして、君を失った今、
僕の心には前よりも
大きな穴が空いている。
影さえできるほどだ。
でも、なぜか、
僕はその穴を愛しいと感じている。
ー世界に一つだけー
目の前にある花は、すみれだ。
どこにでも咲いているすみれだ。
次に見た時には枯れてしまっているのだろう
でも、松尾芭蕉が山路で見つけたすみれは
ずっとそこにある様な気がする。
他のすみれとは違う気がする。
もし、松尾芭蕉じゃなくて
私が最初にそのすみれを見つけていたら
どこにでもある「すみれ」のままだったのだろう
身近な光に気づける人ー
そんな人が世界に一つだけの
光をつくるのかもしれない
ー踊るようにー
おさがりの浴衣
太鼓を叩く音が鼓膜に響く
手を外側に、内側に、返しながら少しずつ前に進み
人が円を描く
そのまわりを囲んでいる提灯の明かりは
一緒に踊っている魂のようだった。
ー時を告げるー
時間は目に見えない。
目に見えない大切なものは
きちんと言葉で伝えることが大事。
たった今、ラジオが9月7日のはじまりを告げた。