ずっと一人でも大丈夫だと思っていた。
けれど、そうもいかなくて
孤独は、容赦なく襲いかかってくる。
気が付かないように心の奥底に隠して蓋をして何十にも鎖でグルグル巻にしていたのに、無理やりこじ開ける奴が出てきて僕のパンドラを開いた。
それは、希望や魑魅魍魎が入ってる訳じゃなくて今までずっと押し込んで無理やり閉じていたから溢れ出して不安をばらまいた。
こんな事になるくらいなら、あの時何もせずに見逃していたら良かった。
でも見逃す事なんて出来なかった。
そんな心境も時が過ぎれば変わってしまいもうあの日より前の自分には、戻れない。
もうあの時ほど書けない。
それでも僕は、一人でいたいと願ってしまう。
そんな事、絶対に無理だと言うのに。
生きるうえで一人で生きる事は不可能だから
どんなに一人でいたいと願っても人と関わらない生き方何て、存在しないのだから。
それでも、一人でいたいと思ってしまうのは疲れているからなのかも知れない。
人に、世界に、そして自分に
Altair
(2024/08/01 17:50:17)
「澄んだ瞳」
澄んだ瞳の先に見えているのは僕じゃなくてステージで飛んだり跳ねたり踊る彼を写していた。
複数の色のスポットライトが彼を照らしクルクル回る姿に無数の視線が注がれ澄んだ彼女の瞳は、彼に恋してるようにも見えた。
そしてそんな彼女の姿を見ては伏し目がちに瞼を落とした。すれ違う事すらままならない僕の気持ちがまるで泡沫のように消えた気がした。
無数の水泡のように
弾ける音は小さく聞き取れる事など出来ないくらい。
とても小さくパッと消えた。
Altair
(2024/07/31 13:49:36)
リモコンをポチポチ押して変わるがわる。何処の放送局も接近する嵐の話しばかりを放送していた。
そんな時に、背後から伸びる白くて細い腕が僕をベッドへと誘う拒絶する事を困難にさせる魅力的な腕に、身を任せ押し倒され重なる唇とロングヘアが肩をするりと滑り落ち。
目の縁から見える彼女の向こう側は、
今にも雨が降りそうな暗雲。
風も強さをますばかりこのまま嵐が来ようとも聞かぬ存ぜぬとキスに夢中になるのも良いけど
やっぱり、雨戸だけは閉めたくて彼女から離れ窓を開ける。思った以上の突風が部屋の中に吹き込んで雨戸を閉めて窓を閉め終わる頃には、彼女はベッドで不貞寝だけど先程、誘われた腕が露にそんな白くて細い腕と指にキスして眠る彼女を今度は、僕が誘う。
たとえ嵐が来ようとも二人で。
Altair
(2024/07/30 17:10:21)