ある日、
私は大冒険に巻き込まれた。
それはそれは
ドキドキの連続であった。
空想にしか出てこない怪物とも戦った。
冒険家なら一度は体験したい要素は
ある程度体験した。
しかし、問題があった。
まったく楽しくないのである。
それはそうだ。
登場人物が私だけなのだ。
話し相手がいない。
ひょんなことから助けることになる
美しいヒロインはいない。
怪物を倒したところで
尊敬してくれる住民もいない。
冒険を乗り越えても
分かち合う人がいない。
自分の凄さを自慢する相手もいない。
冒険は『映画のドラ◯もん』
くらいがちょうど良い。
日帰りくらいの冒険で、
仲間とキャッキャッと騒いで、
しこりなく解決。
明日には五体満足で
いつもの日常にもどるような。
好き嫌い言っていても仕方ない。
もしかしたらこの冒険が意味ある冒険になるかもしれない可能性はまだある。
数年後。
私はラスボスっぽい城の近くで、
商人をやることにした。
客はまだ一人も来たことはない。
私は慎重で計画的な人間である。
将来のことを考えて
『やりたいことリスト』
をノートに記載している。
それはもう丁寧に
詳細まで考えて書いている。
すでにノートは100冊を超えた。
気づけば、
私は今年で50歳を迎えていた。
今、まさに人生の岐路に立っている。
塩ラーメンか味噌ラーメン、
どっちのカップ麺を食べるか…
もしかしたら、
この小さな違いが、
後に世界規模の争いに発展する可能性が
あるかもしれない。
トッピングはどうしよう…
お題『世界の終わりに君と』
「最後くらい、笑って写真を撮ろう」
と、彼女と話し合った。
そうして、
人生最大級の変顔を彼女と競い合った。
1万年後
[人類最後のバカップル]
というタイトルで教科書に載るなんて、
思いもしなかった。
小学生の頃、
オレの友達は学校で飼っていた
インコのピイちゃんだけだった。
「誰にも言えない秘密」を
ピイちゃんだけには打ち明けていた。
今、あのときの大人に言いたい。
インコが話せることを前もって教えとけ!